中国の食品違法添加物問題:卵に続き、平目にも発がん性物質など検出

2006/11/26
更新: 2006/11/26

【大紀元日本11月26日】中国国内で11月中旬以来、食品に違法添加物が使われているのが相次ぎ発覚した。全国各地でに発ガン性を持つ工業用染料スーダンレッド(蘇丹紅)が検出されたことに続き、高級魚のヒラメにも発ガン性物質や使用禁止の抗生物質が検出された。

これらの有毒食品は北京市や、上海市、広東、天津などの各地に販売されている。北京と広州市は、市内の各大型スーパーや市場で対象となる卵や平目の販売禁止命令を出した。

また、今回の食品違法添加物の発覚は、香港にも影響を及んだ。香港当局が検査した結果、湖南省から輸入された卵にはスーダンレッドが検出され、魚の平目からは発がん性物質であるため食用魚には使用が禁止されているマラカイトグリーンが発見された。香港で消費される9割の平目の産地は中国山東省で、深セン経由で香港に輸出されている。平目の卸売業者はすでに輸入禁止の措置を取ったという。また、卵卸売業者からは、売り上げが半減したとの声が上がっている。

中国国家質量検査総局は近日に、卵製品を検査した結果、北京市や、安徽省、河北省、河南省、浙江省などの地域7社の8品目から、スーダンレッドが検出されたと公表した。

食品の違法添加物の使用が発覚されてから、各地で相次ぎ販売中止した。北京市と広州市の関連政府部門は、市内のスーパーと市場で河北省産の赤い卵黄のアヒル卵の販売差止めを通達した。深セン市のスーパーでも疑いのある卵をすべて売り場から下げた。

同じく11月中旬には、上海市食品薬品監査管理局が市販の平目を検査した結果、すべての品目から基準を遥かに超えた薬物が検出される上、発がん物質のニトロフラン系合成抗菌剤(フラゾリドン、ニトロフラゾンの代謝物:AOZ,セミカルバジド)ニトロ基フラン代謝物が残留、一部の品目からエンロフラキサシン、シプロフロキサシン、クロロマイセチン、エリスロマイシン、マラカイトグリーンなどの使用禁止の薬品が残されている。それを受け、北京市食品安全事務局は、市内の卸売市場の平目を検査した。その結果、マラカイトグリーンなどの使用禁止の薬品が検出された。

現在、上海市の一部の水産市場では平目を販売中止している。北京市では11月20日から平目の販売を停止した。杭州市などの周辺都市も山東省産の平目の販売を禁止した。

平目は中国人に好まれる食用魚であるため、全国で年間の生産量は4万トンあまりに達している。中原地区の山東省は主要な産地である。専門家によると、平目の免疫能力が低いため、一部の養殖場では平目の病気感染を抑えるため、国内外で使用禁止の抗生物質、例えばクロロマイセチン、テラマイシンなどを平目に投与しているという。

BBCの評論文では、これまでに中国国内で食品安全問題が多発していることを挙げ、有毒の豚肉や米、粉ミルクなどが発覚したことを言及、これらの食品問題はほとんどメディアから先に暴露されたことについて、政府関連部門は監察と管理責任者らの職務怠慢と指摘した。一方、「同じ華人社会の香港やマカオ、台湾で同様な食品安全問題が発覚すれば、関連部門の政府幹部が責任を問われ、辞職に追い込まれるはず」との声も上がっている。

今年10月に、台湾では中国から輸入された上海ガニには、発がん性物質が検出されたため、台湾食品衛生署の蕭東銘・署長が免職された。

中国紙「南方都市報」は11月18日、国内で発生した一連の食品安全事件を以下のようにリストアップした。

毒ミルク

2003年から2004年4月までに、安徽省阜陽地区では、有毒粉ミルクを飲んだため100人以上の乳児が、頭部が異常に大きくなる症状を現れ、一部は死亡した。

塩漬け魚

2004年6月、中央テレビは、広東省広海鎮が製造した塩漬け魚は、殺虫剤に漬けられたことを報道した。

スーダンレッド

ハインツ社が製造した唐辛子味噌や、ケンタッキ、マクドナルドの製品から工業用染料スーダンレッドが検出された。

ウナギ

2005年6月、一部の養殖業者がウナギに、発ガン性のマラカイトグリーンを使用することが判明。

また、同紙が伝えているほかにも、今年、豚に人間の喘息治療薬を投じる問題が発覚した。飼料の中このような薬を混じることで、豚の脂身の割合を抑えることができる。このような豚肉を食した人間には、中毒反応を起こし、めまいや体力の減退、動悸、手が震えるなどの症状が現れる。今年9月に、上海市ではその豚肉を食用したため、集団中毒事件が相次ぎ発生した。

日本厚生省は今年8月始めに、「輸入時のモニタリング検査において、中国産養殖鰻加工品から、我国では食品中に含有してはならないと定められている合成抗菌剤マラカイトグリーンが検出された」と公表していた。

(記者・王珍)