中国四川省広安市:大規模官民衝突、死亡者も

2006/11/13
更新: 2006/11/13

【大紀元日本11月13日】中国四川省広安市は11日、警察と民衆の間に大規模な衝突事件が起き、約20人の抗議者が逮捕されたという。抗議者の学生3人と警官1人が死亡したという。

事件のきっかけは、男児の親が治療に必要なを所持していなかったという理由で、現地の病院が治療を拒否したため男児を死なせたことが発端であるという。病院付近の学校の学生達と民衆が病院前で抗議を行ったが、政府の対応はなく、逆に公安警察に弾圧されたという。現在、同地区への出入りはすでに禁止され、インターネットの使用も閉鎖されている。

11月11日、中国四川省広安市では大規模の官民衝突が起きたため、同夜から戒厳令が敷かれた(情報筋より提供)

調べによると、同市の第2人民病院は7日午後、誤って農薬を飲んだ男児・熊洪徽ちゃん(4)が搬送されたが、親の所持金が治療に不足であるという理由で適切な処置を取らなかったという。数時間後、男児は死亡した。

死亡した男児・熊洪徽ちゃん(大陸市民より提供)

男児の親は10日、遺体を病院に運び、病院側の責任を問い賠償を要求した。しかし、病院側は500元(約8千円)しか払わなかったため、親は病院前で対応に抗議し、多くの人たちの同情を得た。

その後、男児の親が遺体を持って市政府へ陳情に行ったが、警備に殴られた。回りにいた高校生らが警備の暴行を止めようとしたところ政府関係者とも衝突になった。

同夜、この顛末が同市中に広がり、病院側の対応に怒りを抱いた学生たちと市民が病院に突入し、設備を壊し始めた。その後、武装警察が病院に到着し、学生と市民と衝突した。

衝突は11日の未明まで続け、警察側が十数個の催涙弾を打ち、民衆側も3台のパートカーを燃やした。11日早朝、当局は付近の地域から大量の警察を動員し、抗議者らを鎮圧した。衝突で、学生3人警官1人が死亡したという。

抗議者らは11日夜再び病院前に戻り、警察側と対立を続けた。

この状況について、弊紙記者が現地政府と病院側に電話で問い合わせたが、調査中の返答だった。

一方、この事件について、現地メディアの報道はなく、インターネットの掲示板でも情報は得られないが、現地政府側が、病院側が救命に努力したが、患者の来院が遅れたため手遅れだったと発表しただけだった。

情報によると、現在、広安市はすでに厳戒封鎖され、外部との出入りは禁じられている。現地のインターネットは全て閉鎖され、外部の記者も現地入りできないという。