シンガポール、政府批判の香港誌を販売禁止に

2006/09/30
更新: 2006/09/30

【大紀元日本9月30日】シンガポール当局は28日、香港に拠点を置くファー・イースタン・エコノミック・ レビュー英字誌(FEER)のシンガポールでの販売流通を禁止する声明を発表した。

中央社によると、声明では、シンガポール情報・通信および芸術部(MICA)部長・李文献氏はファー・イースタン・エコノミック・ レビューに対して、シンガポールでの販売許可を2006年9月28日付け取消すことを実行するとした。声明では、同誌を輸入または海外より持込み、シンガポールで販売した場合、同様に法律に抵触すると見なすことを強調した。

ファー・イースタン・エコノミック・ レビューは7月に、シンガポール野党党首・徐順全氏が政府当局の全国腎臓基金会(NKF)にかかわる政治資金をめぐり、りー・クアンユー元首相および長男のリー・シェンロン首相に対して批判した文章を掲載したことが今回の措置につながったとみられる。批判文章に対して、リー首相親子は名誉毀損として、同誌の発行人および編集者・芮斯托氏を訴えた。

政府当局は8月に、ニューズウィーク、タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、ファー・イースタン・エコノミック・ レビュー、インターナショナル・ヘラルド・トリビューンを含む一部の外国出版物に対して、これまでに免除されていたシンガポール新聞・雑誌および印刷法令管理に繰り入れることにし、法的訴訟が起きた場合手続きが行えるようにシンガポール国内に同社の発行者代表1人を置き、20万シンガポールドル(約1454万円)の保証金を納めることを要求した。ファー・イースタン・エコノミック・ レビューは9月11日まで、当局の要求に応えていなかったという。