【大紀元日本8月10日】中国衛生部は8日、SARS流行時の2003年11月末、中国で鳥インフルエンザの人への感染死亡例が確認されていた事実を認めた。昨年11月頃、中共政権は自国で鳥インフルエンザの人への感染死亡例を初めて公表したが、後に海外の医学専門誌は、中国国内の内部情報を引用し、3年前にすでに死亡例があったことを指摘した。今回の中共政権の発表はこの報道に追い込まれた結果で、専門家らは、SARS感染例の中に、鳥インフルエンザの人への感染例も入っている可能性があると見ている。
今年6月23日、英国の「ニューイングランド医学雑誌」は中国人科学者8人による共同調査の報告書を掲載した。報告書には、「2003年11月、中国でSARSが大流行した際に、北京市在住の24歳の男性は、肺炎と呼吸器感染の症状が現れ、入院4日目に死亡した。主治医はこの男性からSARSウィルスを検出できなかったが、症状からSARSに感染したと判断した。後に患者の肺組織のサンプルから鶏インフルエンザのH5N1ウィルスが検出され、鳥インフルエンザによる感染死が確認された」としている。一方、中共政権はこの鳥インフルエンザ感染死の情報を公表していなかった。
2年後の2005年11月に、中共政権は、湖南省で10代の女子が鳥インフルエンザに感染、死亡したと初めて人への感染死を公表した。
英国の医学誌の報道を受け、国際保健機構(WHO)は中共衛生部に対し、事実関係の説明を要求した。そして、中共政権は8日、2003年のSARS大流行の際に、すでに人への鳥インフルエンザの感染による死亡が確認されたと初めて認めた。死亡したのは24歳の兵士だという。
また、今回の中共政権の公表で、幾つかの疑問点も浮上している。人への感染の原因や、中共政権が当時その情報を公表しなかった理由、2003年から2005年の中共政権が初めて国内での人への感染を認める間に、その他の感染の実例も確認されていた疑いと、様々な憶測を残している。鳥インフルエンザ研究の専門家は、SARSと鳥インフルエンザ感染の症状が非常によく似ているため、2003年に中国でのSARS大流行の際に、SARS感染とされている死亡者には、実際には、鳥インフルエンザ感染による可能性があると分析している。
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