曾蔭権香港行政長官、陳方安生氏を次期行政長官最有望候補と認める

2006/07/28
更新: 2006/07/28

【大紀元日本7月28日】曾蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官は25日、香港のアジアテレビ局で収録が行われた「ドナルド・ツァン:行政長官のミッション」と題した番組の中で、陳方安生・前香港政務長官は、「非常に歓迎される人物である」と評し、来年の香港行政長官選挙で勝利を勝ち取る力があると、初めて公の場で未来の選挙相手である陳方氏を認めた。また、曾氏は自ら香港の管理および普通選挙、政党関係、北京関係などについての見解を明らかにした。

非常に歓迎される人物である」と評された陳方安生・前香港政務長官(大紀元)

ラジオ自由アジア(RFA)によると、曾氏は、6割近い香港市民が民主を支持し、共産主義を信じていないことを指摘した。実際、1989年、天安門事件(六四事件)が起きた際、当時の香港総督・衛奕信氏に対して、香港人は民主を信じているとし、香港人たちの自信を回復させるために何かをしなければならないと遊説したという。今でも、普通選挙がもっとも香港に適するものである考えを持つ香港市民は5~6割を占めているとの意見を示した。

今年の天安門事件9周年忌前に、香港民主支持連合会の主席・司徒華氏は、天安門事件が起きた89年に、曾氏は子供連れで民主を謳えるイベントに参加したことをメディアに対し指摘した。その後、曾氏は同件を否定したという。

また、今回曾氏は自ら6割近い香港市民が民主を支持し、共産主義を信じない発言に対して、香港城市大学・応用社会学科の麦海華助教授は、普通選挙の重要性を説明するのに、彭定康氏らの発言は非常に大きい影響を持っており、同氏は香港市民に対して、香港が保守的であり、普通選挙をさせないとのイメージを与えたくないという。

英国外相・ベイジャチン氏は、普通選挙が安定な社会を作る最良な方法である見解を示した=写真は、7月10日、英国外相が就任後最初の中国訪問(AFP)

一方、ベイジャチン英国外相が議会に提出した第19次「香港半年報告書(2006年1月~6月)」で、香港の行政長官および全体60人立法会議員の普通選挙の実現を急ぐべきであると示しており、また、香港は政治制度改革問題において、顕著な進展がないと指摘した。

報告書では、「基本法」に基づく普通選挙こそが、権利および自由を保障し、法治を維持する最良の方法であると記している。

ベイジャチン外相は、英国政府は始終香港の民主化を強く支持し、香港の長期的発展に影響する同議題に続けて関心を寄せると同時に、各界に対して、普遍的に認識されている共同目標に向けて、邁進するよう呼びかけると強調した。

同報告書では、香港における憲法制度の発展にも注意したことを示している。香港政府の政治制度発展第5号報告書は、立法会に否決されたこと、または、陳方安生・前政務長官および立法会議員ら35人が一面の広告にて、曾行政長官に対して普選の実行スケジュールや公民党の設立などを催促したことが例としてあげられた。

ベイジャチン外相は中共政権に対して、一部の香港立法会議員に対する大陸入り禁止の解除を呼びかけた。報告書によると、「基本法」に基づけば、普選を達成させるために、行政長官、立法機関および人大の間に協議を結ぶことに定められている。しかし、実際、立法会議員の中に劉慧卿氏、梁国雄氏など11人が大陸に入る際に必要とされる通行許可「里帰り証明書」が没収され、大陸入りが禁止されている。

同報告書は、香港における「一国二制度」の運営は良好であるとし、「中英聯合声明」および「基本法」にて約束した権利および自由も守られていると総括した。

最後の香港総督・彭定康(クリス・バッテン)氏は25日、香港訪問を終え、上海へ向かった。彭氏は香港を発つ前に、香港で盛んに取り上げられている普通選挙について、香港のメディアに対し、香港はアジアの中で依然として自由都市であるとし、必ず良い未来が待っているとの意見を示した。

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