【大紀元日本5月25日】 国連の最新報告によると、スーダンが2005年停戦条約に署名し20年間の内戦に終止符を打ってから、その人権状況と治安は更に悪化しているという。なかでもダフール地区の人権弾圧は深刻で、市民が犠牲になっている外、女性や子供に対する性的暴行も横行している。報告はスーダンの2005年12月から2006年4月までの状況を著している。
VOAによると、スーダン西部のダフール地区で治安が悪化、国連人権スポークスマンのジョゼ・ディアス氏によると、国内紛争が激化した2003年から2004年より深刻であるという。ディアス氏によると、1月から4月にかけ、ダフール南部・ゲレイダ地区で政府軍、民兵等の武装組織により村落20カ所が攻撃されたという。
報告では、今回の紛争に顕著な要素として、スーダン解放陸軍内の派閥間で内部抗争が起きており、さらにダフール地区全体にかけて女性が性的暴行の被害に遭っていると指摘している。女性たちは難民キャンプを離れ、薪拾いなどで収容地区を出たところを頻繁に襲われているという。
当地では、犯罪行為が見逃されることが多く、市民の殺害、婦女暴行、村落の収奪が告発されることはほとんどないという。ディアス氏は、治安状況の悪化のため、当地での人道支援活動は深刻な障害に遭っているという。報告によると、スーダンでの司法制度が現在機能していないため、国際司法裁判所がダフール地区での治安回復に重要な役割を担うことになる。