【大紀元日本5月22日】中国扶貧開発協会副会長・田瑞璋氏によると、中国の現在における農村貧困人口は2300万人、辺地諸所に5000万人、都市部民工(都市部への出稼ぎ労働者)が2800万人で、総計1億人が貧困最低線にあるという。中央社が伝えた。
田副会長は、天津市で開かれた「第一回中国貧困地区持続発展戦略シンポジウム」で、もし国連と国際通貨基金が明示する貧困最低線、「1人につき1日1米ドル以下での生活」を適用すると、中国の貧困人口は近い将来2億人を突破し、中国の貧困援助はますます深刻かつ重要になると発表した。
田副会長によると、中国農村部貧困人口2300万人は、主に自然条件と環境が比較的劣悪な地区に分布しており、同地区の住民の能力は相対的に低いという。また、中国では地区ごとの差が加速しており、特に都市部と農村部、東部と西部に貧富の格差が見られるという。
専門家によると、中国貧困層は年々弱体化しており、1985年に中国が貧困基準を確定した当時、貧困農民の月収は上限200元、平均的な中国農民の収入の50%であったが、2005年時点での調査によると貧困農民の収入は683元、平均収入3255元の二割程度にしかすぎなかった。中国の貧困地区は「貧困-環境破壊-更に貧困」の悪循環を形成しているという。
北京大学貧困地区発展研究院院長・歴以寧教授によると、貧困地区ほど、自然条件に差があり、眼前の利益にとらわれて、環境保全と資源保護を軽視しがちになるという。貧困状況を打破するため、生態環境を無視した資源開発が行われるが、それは農民を更に貧困へと追いやり、低収入がまた環境破壊につながるという悪循環に陥るという。
専門家は、もし中共当局が貧困を解消したければ、「科学的発展観」を樹立しなくてはならず、短期的利益と長期的利益を統一計画し、経済的利益、社会的利益及び生態環境的利益の相互関係を正確に処理し、貧困地区の経済、社会、環境を持続発展しなくてはならないと分析する。