中共当局、「文革40周年」に認可統制

2006/05/10
更新: 2006/05/10

【大紀元日本5月10日】本年は、文革開始から40周年、文革が収束してから30周年に当たるが、中共当局はこれを取り上げず、関係する認可を統制している。香港「成報」は、北京国防大学・王年一教授の著書「大動乱時代」の再出版後記を引述、「歴史を忘れる民族に将来はない」と指摘した。

報道によると、中共当局は、「文革」について低調に処理、新聞紙上で回顧録や回想録を見かけないだけでなく、インターネット上でも「文革」の文字は検索不能だという。昨年、中国メディアは「文革」に関する回想録を数度掲載したが、中共指導層は関係する報道・活動を「低調処理」、同時に本年の「中共建党85周年」「紅軍長征勝利70周年」に尽力し、大衆の衆目を集めるよう要求した。

中国文化部長・孫家正氏は3月、中共当局が「文革」回想活動をしない意向と認め、建設的に社会と協調することを強調した。(民衆の)意識を主管する中共宣伝部は現在、「文革」に関する図書出版を許可しておらず、「文革」をテーマにした映画も準備していないという。

報道によると、3月下旬に中国撮影家協会会員・李暁斌氏らが、北京美術館付近の酒場で小さな「文革写真展」を開こうとしたところ、前日夕に警察当局から「中央の精神に符合せず」「大局に注目すべき」などの指導を受け頓挫したという。中共当局は、「文革」の2文字に敏感になっているものの、民間、特に官僚退職者や知識人にとっては忘れられない人間的悲劇である。

中国政協委員、作協委員・楊匡満氏は3月、政協会議上で「歴史を再認識、文革博物館の趣意」を提案、元元帥・賀龍氏の子女・賀捷生氏、故国務院副総理・陶鋳氏の子女・陶斯亮氏、魯迅博物館長・陳漱渝ら48人の連署を獲得した。

報道によると、中共は文革を徹底的に否定しているものの、若年層はまた違う認識を持っており、北京の学生を対象にした調査では、「中共が認めた運動は正しかった」は22.2%、「文革には、合理的原因と必然の成果がある」は19.9%であった。中国民衆は、中共当局が歴史を正視するよう求めているようである。

※文革…無産階級文化大革命、プロレタリア文化大革命ともいう。1960年代後半から1970年代前半まで、中国共産党指導部内部の権力闘争のため、毛沢東が、思想と文化の改革を行うという名義で煽動した暴力的な大衆運動。その結果、中国で政治・社会・思想・文化の全般にわたり事実上の内乱状態を招いた。当初は事業家などの資本家層が、さらに学者、医者、などの知識人等が弾圧の対象となった。それ以外、共産党員内部にも及び、多くの人材や文化財などが被害を受けた。期間中の死亡者、行方不明者の数は数百万人とも数千万人とも言われる。1976年に天安門事件が起こり、翌年文革の終結が宣言された。その後、文革は、正式に中国共産党により「動乱の10年」とされ、その意義を否定された。

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