カナダ民間団体、中共メディアの放送に強く反対

2006/03/25
更新: 2006/03/25

【大紀元日本3月25日】中共の九つの放送チャンネルがカナダ国内での放送許可を申請している。これに反対する多くのカナダ民間団体は、中共政権の目的は、中共の理念と意識形態をカナダ社会に浸透させるためと指摘、中共メディアの放送に反対する運動を起こしている。カナダの主流メディアも中共の行動を疑問視し、「カナダ社会への共産党文化宣伝」などとして否定的な意見を寄せている。一方、放送権を審査するCRTC (カナダ無線テレビと通信委員会)は、今年1月に民間調査を行っており、5月までに結論を下す見通し。

RFA (ラジオ自由アジア)の報道によると、法輪功友の会や、トロントの中華会館、駐トロントのチベット青年大会、駐カナダのウィグル族人協会、民主中国陣線駐カナダ支部など、28の団体から構成される「反中共浸透連盟(下略、連盟)」は、21日中共メディアの放送許可の申請業務を代理するケーブルテレビ「ロジャース」の本部の前で、抗議活動を行ったという。

聯盟の主席・謝愛鈴氏は「九つの放送チャンネルは中共政権の喉と政治宣伝道具であり、カナダの民主社会における言論と報道の自由は完全に衝突する。中共政権がカナダにもたらそうとしているのは、彼らが称している文化交流ではなく、共産主義とその暴力と独裁理論の宣伝である」と指摘し、「中共メディアは、重大な事件について、一貫として事実を隠蔽歪曲し、不誠実な報道を続けてきた。それだけに留まらず、憎しみを煽ぐ「重責」も背負っている。CRTCはこれらの中共メディアの番組を全面に監視、管理することは不可能だ」と述べた。

さらに謝愛鈴氏は中共の意識宣伝方式について、「これらの中共メディアは、堅苦しい説教で共産党理論を大々的に宣伝するのではなく、娯楽や、文化などを含め様々な分野の番組で、中共理論と共産党文化を含ませ、徐々にカナダの華人の思想、意識形態を操縦する目的を果たす」と分析した。

謝愛鈴氏の見解には裏付けが取れているようだ。中共政権の対外国組織「国家外国専家局」の編集者・陳偉源氏は2005年10月26日、著作でこう語った。「文化は『柔軟な国力』であり、国家意識の伝達において、政治や経済ルートでの外交より、外国人に歓迎されやすく、受け入れやすい利点がある。相手国が知らないうちに感化され、浸透され、そのパワーは軽視できない。まったく意識することなく、知らないうちに影響されてしまう」。

中共の政府メディア新華社通信は、「対外国宣伝の有効性を調査研究する」特別チームを設立し、海外の華人と留学生への党文化宣伝について、「このグループも我が国の対外宣伝のもう1つの重点対象だ…。現在、国外に在住する華人は数千万人に達し、一部の人は所在国の主流社会の一員となり、影響力がある精鋭人物も少なくない。多くの外国人は華人を通じ中国を了解しようとしている。そのため華人社会は独特な橋渡しと放射作用を果たせる」。

一方、地元紙「ザ・バンクーバー・サン」は、「中共メディアの上陸は、中共政権がカナダの華人社会を分裂させる最も有効的な手段だ」と指摘し、中国大陸の文化はすべて中共に操られ、いまだに言論や報道の自由が厳しく封鎖されている現状を暴露した。

カナダの「ザ・ナショナル・ポスト」紙も、中共政権が製作した番組をカナダ国内で放送させるのは中国共産党の宣伝になると否定的な見方を示した。

民間団体やメディアからの反対を受け、CRTCは1月16日までに民意調査を行い、反対と賛成を含め計400通あまりの意見を収集し、民衆の見解を評価した上で、5月までに放送許可申請の結論を下すと公表した。