【大紀元日本3月8日】
(AFP/Getty Images)
昨年4月、中共中央政府は、不動産価格を抑制するための一連の措置を講じたが、北京市の不動産価格は、依然として上昇の一途をたどっている。その結果、消費者の購買意欲が減退しており、ディベロッパーの手元に滞留した物件がますます増加している。北京市統計局の最新の報告によると、2005年末、北京市全体の物件に係る空室面積は、1374.2万平方メートルに達しており、年初に比べて31.6%の増加となっている。
住宅価格は大幅に上昇、未完成住宅(期房)の価格は下落
北京において、住宅購入者の大多数は残酷な現実に直面しなければならない。それは、住宅価格が依然として上昇していることである。中共国家統計局が全国70の大・中都市における1月の住宅価格を観測したところ、北京は、8.4%と、当月における価格の上げ幅が最も高い大都市となった。
「北京晩報」によると、昨年における北京の未完成住宅(期房)の平均価格は6725元/平方メートルであり、前年に比べて1083元/平方メートル上昇、19.2%の伸び率であった。建設部門の統計によると、昨年の全市における住宅取引高は、28.3万件であったが、このうち、完成住宅の取引高は10.3万件で、17.7%の増加であり、未完成物件の取引高は18万件、21%の減少であった。
空室面積が増加 市場の需給構造にギャップ
2005年末において、全市の商品物件に係る空室面積は1374.2万平方メートルであり、このうち、住宅の空室面積は799.7万平方メートルで、年初に比べ、それぞれ31.6%、10.5%増加した。空室の期間については、期間が1年以上のものが27.7%であった。
市統計局固定資産投資処処長・鄭新氏によると、商品物件の価格が上昇するのと同時に空室面積が増加しているが、これは、市場の需給構造にギャップが現れていることを示すとともに、市場需給に関する情報の流通ルートが円滑ではなく、市場システムの更なる改善が必要であることを示している。
今年において需給の矛盾が出現する恐れ
昨年、北京市において新たに着工された商品物件の面積は2965.9万平方メートルで、前年比で2.9%減少した。このうち、住宅は、1983.2万平方メートルで、前年比で10.1%減少した。
北京市統計局の専門家によると、土地の買い入れ価格、土地開発面積、新規着工面積等の影響により、不動産市場の先行指標が前年に引き続いて低下することで、今年の不動産市場において、需給の矛盾が発生する可能性がある。
エコノミー住宅販売に関する3つのボトルネック
業界関係者は、2005年において、エコノミータイプの住宅物件が大量に市場に流通するものと予測している。しかし、業界の統計数字によると、昨年の、北京市における中古エコノミー住宅の取引高は7500件前後であり、15万件前後の総量からすれば、取引は全く活発ではない。
業界関係者によると、エコノミー住宅が市場に流通する上で、3つの大きなボトルネックが存在するという。第一に、売り手・買い手双方が、中古エコノミー住宅の取引に係る政策の詳細についてあまり理解しておらず、円滑な取引を妨げている。第二に、投資収益が低いために、所有者は様子見をしている。第三に、現在、中古エコノミー住宅の主たる購買者は中・低収入の家庭であり、彼らは住宅価格に敏感であることから、所有者の要求する価格が予想を上回れば、買い手の一部は購入を考え直してしまうことだ。