紀元曙光(18)

2006/03/08
更新: 2006/03/08

【大紀元日本3月8日】「お母さん/ぼくをハンストに行かせてくれ/兄弟たちは彼方で受難をうけている/親愛なるお母さんよ/一日二日食わなくとも人は死なない/兄弟たちは体がもはや傷だらけ/その心をもぼろぼろにさせるものか」(欧陽小戒作・詩『お母さん、ハンストに行かせてくれ』『大紀元』ネット版、2月21日)。

欧陽小戒氏、28歳、多芸多才で優れたエンジニア。ハンストをもって迫害反対運動を行って以来、助手が行方不明または軟禁されるため、高智晟弁護士は孤立無援となる。2月15日、増援のために、欧陽氏は、緊急北京入りした。が、翌日、高氏の事務所で他のボランティア参加者とともに秘密警察に連行され、今も消息を絶ったまま。

ハンスト・リレーに参加した中国本土の良識者たちは相次ぎ恐喝、軟禁、連行され、あるいは失跡となるし、高弁護士を訪れてくるあらゆる者も連行、拘留される。中共の公安員に脅かされた駐上海日本総領事館員までも、自殺を選んでしかその恐怖を逃れようがなかったのに、ましてや俎上の魚とされる中国人はその被害を避けられるはずがない。

その中で、たびたび拘留、暴行を受けてきた公益事業活動家・胡佳氏(32歳)も、2月16日より、突然蒸発した。妻の金燕氏は次のように綴る。「彼の行方不明に、私はすでに慣れた。慣れた、なんという恐ろしい言葉だろう」、「私は彼の帰るのを待っている。これを除けば、私には何ができようか」(「不寐論壇」2月22日)。

「通常、テロリストは人を拉致すれば必ず何らかの連絡が入るはずだが、中共に拉致されたら、消息皆無だ」。落莫たる境遇に陥り無力と儚さを感ずる胡夫人の心情だ。では、人間蒸発者およびその愁いに沈んだ人数はどれほどいるだろうか。迫害により死亡した法輪功学習だけでも3千人ほどもいるこの国では、それを知るすべはあるまい。

「この冬に/薔薇はない/お母さん/震える手と老眼で一輪を編んでもらおう/ぼくは剣と焔はない/だが、細雪の中で僕は一輪の薔薇を持っているのだ」。残寒の中で、欧陽小戒らは破邪顕正の薔薇をもって春を呼び覚ましている。