【大紀元日本2月19日】 フィリピン中部地区レイテ島で17日、山崩れが発生、住民と家屋の多くが土石流に流され、現時点で救出できたのは57人のみのもよう。政府の試算によれば、死者は3000人に達する可能性があるという。
17日、レイテ島南部・セボナ町クンソガン村で、連日の大雨のため、山頭が崩壊し大規模な土石流災害を起した。建物3棟を除いて、ほとんどの住民と家屋が呑み込まれ、10メートルほど深さの泥沼に埋めてしまった。谷間に位置する村は、深さ約6メートル程の泥海に沈んだ。
倒壊した家屋(AFP)
17日には57人が救出され、18日には遺体が多く収容され、生存者は発見できなかったという。
事故当初、村の小学校では、生徒約240人が授業を受けていた。全員が土石流に巻き込まれ、事故直後に携帯電話での救援を求めるメールが届いたが、同日午後7時には音信が途絶えた。
17日、フィリピンのアロヨ大統領はテレビ演説を行い、救援部隊は陸、海、空の三方面から被災地に向かっていると表明した。米政府も救援活動に参加するため、軍艦2隻を現地に派遣し、そのほかの援助も計画しているという。台湾からの義援金や、災害救助用品などが18日午後にマニラに届いた。
被災地ではすでに雨が止んだが、天候不良のため、救援ヘリコプターが着陸できないもよう。重機がないため、支援者500人余りは、手作業で救出活動に当たっている。村民からはスピードが遅すぎるとの声が上がっている。時間が経つにつれ、遭難者が生存する可能性も薄れていく。
遺体を運ぶ現地村民(AFP/Getty Images)
ライト省長は、救援活動はこれからも継続していくと表明、「奇跡が起こることを願う」と語った。
専門家らは、今回の災害が起こった起因は森林破壊によるものだと分析している。過去数日間現地では豪雨が降り続け、通常降水量の5倍だった。気象情報によると、山崩れが発生する前に、震度2・6の地震があったという。