【大紀元日本2月7日】「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」主催の北朝鮮女性の人権侵害を訴える証言集会が2月4日、大阪社会福祉会館で開かれ、脱北女性らが自らの体験を証言した。また、救援団体の金尚哲氏(元ソウル市長)やトリハナ宣教会のチョン・ギォン代表らが、北朝鮮から中国へ脱北する人たちの人権被害の実態、及び東アジアの将来について講演を行い、韓国政府の太陽政策を批判しながら、東アジアの平和のためには、北朝鮮の日本人拉致問題だけでなく、各国が正義と良知を持ち、このような悲劇を生み出した共産主義国家を一日も早く終息させようと、会場を埋め尽くした来場者に支援を呼び掛けた。
証言では、脱北者女性の朴ウンミさんが、1997年に脱北した後、2003年に中国国内での脱北者集中取締りによって逮捕され、北朝鮮に強制送還された。清津集結所という脱北者収容施設に入れられ、そこで様々な悲惨な事件を目の当たりにした。食事はわずかなトウモロコシだけで、栄養失調や伝染病で死んでいく人々、そして、脱北女性から生まれた赤子たちは、直ちにビニ-ル袋に入れられ殺された。彼女は運良くその集結所を釈放された後、再度脱北に成功し、中国からミャンマーを越え、現在韓国に在住することができた。
脱北の辛い体験を証言をする歌手・李明子さん(大紀元)
また、もう一人の脱北者の李明子さんは、1980年に生まれ、1999年に脱北したが、国境を超えた直後、脱北を支援してくれた人物に、そのまま40代の男性宅に連れて行かれて、結婚生活を強制された。自分自身、どのような経緯で、いくらで身売りされたのかも分からない。しかし、脱北女性ではこのようなケ-スは、日常茶飯事のように多かったという。一緒に脱北した母や妹とも離れ離れになり、妹を助けられない不甲斐なさに身を切られる悔しい思いをしたという。現在は、6歳から始めた歌で、韓国で歌手活動を行っている。
トリハナ宣教会のチョン・ギォン代表は、脱北の後中国で身売りされた人の多くを買い戻し、危険をおかし韓国まで保護していることについて語った。彼は、講演の中で、韓国が好きとか、韓国に行きたいという北朝鮮の人には一度も出会ったことはなかったという。ただ食べ物を求めに中国に来た人ばかりであり、同じ民族が他国で売られていることを見過ごすことが出来なかった。北朝鮮の人は、韓国に亡命申請するが韓国政府に断られ、韓国政府が「人権より平和を重視する」ことについて批判し、人権を無視しながら経済大国になろうとする中国に対しても危惧すべきことであると語った。
「正義に国境はない」と訴える脱北難民保護運動本部代表・元ソウル市長・金尚哲氏(大紀元)
脱北難民保護運動本部代表・元ソウル市長の金尚哲氏は、人権擁護と民主主義の立場から、金正日政権に対する厳しい批判と対決姿勢を鮮明にしながら、北朝鮮の解放を目指し、2001年には韓国で署名活動を行い、1千万人以上の書名を国連人権委員会(UNCHR)に提出した。しかし、現在の韓国政府は、北朝鮮を支持する方向にあり、メディアでも脱北者やそれを支援する者は詐欺師よばわりされていると語った。また、金氏は、これは人類の良心と良知・正義の問題であり、自分だけの幸せだけを重視すれば、いずれ北朝鮮は中国の属国になり、韓国や日本にとって脅威となるだろう。日本と韓国が力をあわせて、マスコミや政府に働きかけることが必要であり、正義に国境はないと語った。
最後に、「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の山田文明教授は、「たくさんの悲劇があった」と述べ、金正日政権は存在を許されない政権であり、一日も早く終息させ、国際社会の協力により被害者を救出することが大切であると語った。また日本には100人近くの脱北者の方がおり、日本政府がしなければならないことは、教育と経済の保障、身分を隠さないといけないような生活状況を作らないようにすることが大切であると語った。
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