【大紀元日本2月4日】「タイム」誌アジア版1月30日付けの報道によると、米国、ヨーロッパおよび日本のたばこ製造会社の調査員が中心となって行った共同調査における機密報告書を引用し、北朝鮮が大量にブランド・タバコの偽造を行っているとした。「タイム」誌は11ページにわたる同秘密報告書を入手し、違法交易の内部操作を詳細に報道した。報道では、北朝鮮が中国、台湾を巻き込んだ大掛かりな犯罪に参与していると示した。
探偵、告発者および企業内部情報提供者の情報をまと纏めた2005年6月29日付けの報告書は、北朝鮮のタバコ企業の規模および複雑性に言及している。これらの企業は「マルボロ」から「ダビドフ・シガー」まで有名ブランドの大量偽造の容疑がかかっている。
報告は、偽造企業のうち10~12の北朝鮮工場は、年間410億本のタバコ製造を行っており、年間利益は5・2~7・2億米ドルに達すると示している。そのうちのどれくらいの金額が金正日政権へ流れているのかは不明だが、推測では0.8~1.6億米ドルに達するとみられている。
また、これらの企業の一部工場は北朝鮮の軍事および内務安全サービス部門の直属下にあり、国家がコントロールしているという。さらに、北朝鮮は海外の偽造先連合企業と結託して工場側に「安全な避難港」を提供する段取りを行っていると指摘した。
情報筋によると、北朝鮮東北沿岸のラジン地区にある3つの工場は、ブランド品タバコの偽造嫌疑、および台湾の犯罪集団より資金提供を受けている嫌疑がかかっている。そのうちの1つの工場設備は中国の中古品を使用し、「マイルド・セブン」、「ダンヒル」および「ベンソン&ヘッジス」などのブランド・タバコを偽造している容疑がある。
報告によると、ラジン地区にあるもう1つの工場は120人の工員がおり、中国人の管理者および技術者が全権を握っているという。北朝鮮政府の職員は、偽造されたタバコは納税後、台湾の犯罪関連グループの漁船へ売り飛ばすという。同政権は自国の港を密輸船に使わせ、密輸運営企業に対して安全な流通ルートを提供するなど、積極的にタバコビジネスに参与している。
しかし、これらの違法貨物は時に海外の港で摘発されることがある。2004年、ベトナム、台湾およびフィリピンの税関職員がラジン地区から韓国・釜山港までの3つの貨物を摘発した。報告によると、それから偽造タバコの流通はラジン地区からロシア港経由になったという。
金正日政権への圧力は強まっており、米当局は北朝鮮における不透明な収入源について調査を行っているという。例えば、昨年9月、米財務省はマカオの「バンコ・デルタ・アジア」が北朝鮮のために、マネーロンダリングを行っているとし、北朝鮮が偽札流通の犯罪活動を助長したと指摘した。さらに、同省は韓国政府に対して、北朝鮮が介入する米ドル偽造および薬物輸出嫌疑のある企業の調査協力を呼びかけた。