米国、北朝鮮の国際密輸犯罪に徹底抗戦

2006/01/29
更新: 2006/01/29

【大紀元日本1月29日】米国政府はこのほど北朝鮮麻薬や、偽ドル札、偽タバコ、偽切手、偽薬品(バイアグラ)などの国際密輸犯罪に関り、巨額な不法利益を得たと公表した。米当局は、このような違法行為を全力で制止すると宣言、たとえ北朝鮮の核保有問題に関する6か国協議が影響を受けても辞さないとの姿勢を示した。

ブッシュ政権の試算によると、北朝鮮は一連の国際密輸犯罪で、年間約10億ドルの不法利益を上げているという。米国政府は昨年、北朝鮮がドル札の偽造とマネー・ロンダリングに関与したとして、金融制裁を発動した。そのため北朝鮮は自国の核保有問題を論議する6か国協議への参加を拒み始めた。

ブッシュ大統領は26日、「北朝鮮の核保有問題を解決するために、金正日政権の犯罪行為への摘発に妥協はない」と明言した。

北朝鮮の密輸犯罪を熟知する国防総省の元官僚・ブルックス氏は、「これは経済戦争であり、北朝鮮は匪賊の国家だ」と名指し、金正日政権はナチス以来の貨幣を偽造する国家機器で、ドル偽造の中心組織でもあると断言した。

しかし北朝鮮は米国のこうした告発を完全に否認し続け、外交部は「米国が北朝鮮にドル札偽装の罪を押し付けるのは、自ら実施している金融制裁を正当化するためだ」と反撃した。北朝鮮官僚も米国国務省による証拠開示の会合に参加することを拒否している。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは27日、世界最大手のタバコ製造メーカーであるフィリップモリス社が提供した情報を引用し、北朝鮮は年間20億個の偽タバコを生産する能力を持っている、世界各地で1300箇所以上の「マルボロ」の偽造拠点を持った。去年カリフォルニア州において1回の密輸摘発で10億個を超える偽タバコが発見され、大半は北朝鮮が製造したものだと報じた。そのほか台湾や、フィリピン、ベトナムなどの各地でも、北朝鮮が偽造したとみられるマルボロ、セブン・スターなどのタバコが大量に摘発されたという。

米国政府関係者は、同紙の取材で、「タバコの偽造に通じ、北朝鮮政府は全世界の犯罪組織集団と連携し、金正日政権は巨大な密輸ネットワークを利用して、思いのままに違法物品を輸出し続けている」と明かした。   

(記者・陳泓達)
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