【大紀元日本1月20日】国連は人権理事会を設立する作業を再開した。昨年9月、国連トップ会談において、現行の人権委員会をより信頼度の高い機構にすべきとの結果によるものである。しかし、新しい人権理事会の設立には多くの課題が残されている。VOAが伝えた。
米国:人権を踏みにじる国家の参加を禁止
駐国連・ボルトン米大使は、人権を踏みにじる国家が新しい国連人権理事会に参加することは、国連の合法性に対する風刺であると指摘し、警告した。ボルトン氏は、国連人権組織の全面的粛正を呼びかけた。
人権委員会の信用度はまったくゼロ
アナン国連事務総長は昨年3月、ジュネーブに本部を置く人権委員会に関して、公衆における信用度および専門性が低くなりつつあることを指摘し、改革を発起した。実際、米国および欧州諸国は、より厳格な会員基準による少人数の機構設立を推し進めている。
特に最近、人権を尊重していない国家、例えば、ジンバブエ、スーダン、キューバが国連人権委員会の議席を取得している。駐国連ボルトン米大使は、これらの国は人権改革を阻害していると指摘した。
西側諸国は新人権理事会の設立を推進
人権支持者および西側諸国は、議席は30ほどで年に一度会議を開き、人権に違反する国家に対して、譴責する絶対的権利を持つ新しい人権理事会の設立に尽力している。さらに、現行のメンバーの順番制によって、一部の人権を踏みにじる国家も人権理事会のメンバーになる制度の取り消しに賛成した。
国連議会主席スウェーデンの外交官アイリソン氏は、国連はグローバル組織で、世界を反映しており、1つの国のみ、または欧州連合のみの立場を考慮するのではなく、互いの協調が必要だと示した。
新人権理事会の協議が展開
今後の数週間で、新人権理事会の規模、メンバーの選定方法および人権違反者に対する譴責の手順などについて協議する予定で、激しい議論になるとみられている。アイリソン主席は「一部のメンバーは、新しい人権理事会が一部の国に対して、何らかの行動をとるのではないかと恐れており、多くの不信、憂慮が生じるので、協議が難航するだろう」と述べた。
現在53のメンバーからなっている国連人権委員会は、3月中旬より6週間にわたる年度会議が開かれる。新しい人権理事会の協議も同時期に開催される予定。
昨年の協議は進展なし
昨年末に新しい人権理事会に関する協議は果たすことができなかった。アイリソン主席は、まずは協議がまとまることを最前提とし、次に人権会議で総括をし、今年中に新しい国連人権理事会の設立の成功を期待したいと述べた。