【大紀元日本12月15日】上海市住宅市場においては最近、大規模な退居騒ぎが次々と発生している。住宅価格の下落による損失を軽減するため、ますます多くの前売り物件を購入者が、集団で退居を行い、住居の受取の拒否や、ローン返済の停止や法廷に訴える手段などを用いて購入した物件を返却しようとしている。ますます激しくなる退居騒ぎに、関係部門の懸念は尽きない。
上海における2005年最後の住宅交易会が12月5日に開催された。情報筋によると、参加者のうち、28500人が購入の意向を示していたが、注文を出して予約がなされたのはわずか728件であり、予約者の数は購入意向者の2.6%に満たなかったという。この点から、多くの顧客が依然として様子見の態度をとっていることが伺える。
取引が不振であるのと同時に、上海住宅市場においては、“退居騒ぎ”が巻き起こっている。「市場報」の報道によると、「水岸藍橋」の所有者51人が、11月23日に上海のディベロッパーである大華集団に物件からの退居申請を出すとともに、集団で、住宅ローンの返済を停止する声明を出した。こうした、「返済の一時停止」による強硬手段によって様々な圧力を加える集団行動を通じ、上海における「退居騒ぎ」の波が次々と巻き起こっている。
「達安春之声」、「金沙雅苑」における退居騒ぎがまだ収まっていない中で、浦東の超大型物件である「風雅頌」においては、物件の受け取り拒否事件が発生した:「藍山小城」においてもまた、以前の所有者が「退居」の旗印を掲げており、浦東世紀公園のある大型物件における退居をめぐるトラブルも収拾がついていない・・・。上海匯業弁護士事務所の弁護士によると、こうした退居に関するトラブルをめぐる訴訟が増加しているという。
報道によると、退居騒ぎの真の原因は、住宅価格の下落であるという。退居を求める所有者の多くは昨年末、今年初頭の高価格の時期に物件を買い入れ、購入した当所の価格は、9000元/㎡~14200元/㎡という。現在、同様の新古物件の価格は、8000元~9500元/㎡前後。 更に、購入した物件を売り出すのに、新たに内装を施す必要がある。こうして売る時点の価格が、住宅を手に入れる前と比べ、少なくて10万元、多くて20万元余り損するのだ。
関係部門の者によると、販売をめぐる法律トラブルが、今後大規模に増加し、伝統的な融資リスクとともに、不動産市場の最大のリスクとなるという。かつての、徹夜で「並んで先を争って購入する」状態から、「集団で物件を返却」することがひっきりなしに起こる状態まで、過熱した不動産市場がもたらした上海住宅市場の「退居騒ぎ」は、住宅市場の困難な局面を映し出しているようだ。
上海不動産業協会情報センターのある女性によると、価格下落は、現在の住宅市場からみれば諸刃の剣であるという。価格が下落しない場合、売れ行きが悪くなって「死に等しい」状態となる。一方、価格が大幅に下落すれば、以前に住宅を買った人は、様々な理由を探して退居を行うこととなるが、これは「死を求める」状態となる。
住宅市場の苦境に陥っているのは、ディベロッパーや住宅を購入した所有者だけではない。金融業者も、同様にして足を引っ張られることとなる。金融のツールは、かつては、住宅を買いたいという民衆の夢の実現を手助けしたが、住宅価格が異常なまでに上昇するのを煽りもした。住宅市場が活況であった時、銀行は審査を緩め、頭金を減額し、ひいては偽りの貸付を行っていた。住宅市場のバブルがますます大きくなっているが、これと同時に、金融業者が負わなければならない不動産のリスクもますます大きくなっている。
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