中国ハルピン市:全市緊急断水、水源の毒物汚染か

2005/11/23
更新: 2005/11/23

【大紀元日本11月23日】11月21日午後4時ごろ、ハルピン市政府は突然全市で4日間の断水を宣告した。断水の理由について、関係部門は「水道管の緊急点検」と称しただけで、詳しい説明はされていない。22日政府が改めて公告を出し、断水の理由を13日に吉林石化公司のジアニリン工場の爆発事件で、松花江上流の水源汚染の可能性があると訂正した。市民の間で水源の毒物感染と大地震発生説が広がっており、市外に繋がる飛行機と汽車の切符はすでに完売となり全市はパニック状態。今回のような全市範囲での断水は史上初だという。

21日夕方の「ハルピン新聞」は政府の公告を掲載し、断水の理由について、水道管補修のためだというが、明確な説明をしなかった。22日政府が改めて出した公告で、断水の理由を13日に吉林石化公司のジアニリン工場の爆発事件で松花江上流の水源汚染の可能性があると訂正した。公告では、断水時間を22日夜8時からと発表したが、前日の21日に、すでにハルピン市内の大部分の地区は断水状態となった。

しかし、市民は政府の発表に不信感が強く、政府に詳しい原因説明を要求している。政府が22日に水源汚染の公告を出す前にも、断水原因について、市民の間に水道水システムに2億人を致死させる量の劇物の青酸カリの投入説と松花江上流の水源のアニリン汚染説が広まっていた。そのほかに、大地震の噂も広がっている。

21日、ハルピン市内のスーパーでは、飲用水を買い求める市民が殺到し、関連商品が品切れとなる一方、入荷を期待して待ち構える客も少なくない。電話も通じにくくなったという。市内の児童病院では胃腸中毒で子供が大勢入院しているという。市外に通じる駅や、空港には、人が大勢押し寄せ、飛行機、汽車とバスの切符は全て売り切れとなり、銀行やATM自動払い機の前には、現金引落しを待つ人が長蛇の列をなしている。

13日、中国石油の子会社・吉林石油化工公司のジアニリン工場で爆発事故が発生した。事故処理に当たったある政府関係者によると、漏洩したジアニリンにより、ハルピン市の水源である松花江が極度に汚染され、ハルビン市水道水のベンゼン(有機化合物)の含有量が安全基準の10倍を超えているという。しかし、政府側がずっと当情報を隠していたという。

一方何者かが計画的に水源に毒物を投入したとの情報説も流れている。当説によると、政府はすでにテロ攻撃と認定し、市民の恐怖感を避けるために、対外的には水道点検と公表したが、水道水から2億人致死量の青酸カリなどの劇物が検出されたという。

こうした状況の中、真相を知りたい市民の間では「600万人の市民の生活と安全に関る重大なことだから、本当にテロ攻撃または天災だとしても、政府は真実を説明し、危険から脱出させるのが先決だ。あいまいな説明でごまかすのはおかしい」などの不満の声が高まっている。

地震発生の噂も

20日正午から、ネットサイトなどで、近頃ハルピン市内で地震が発生する可能性があるとの噂も流れ、政府はすでに内部緊急会議を召集し、各政府関係部門が総動員され、応急対応するよう命じられたという。

それに対し、黒龍江省地震局のスポークスマン・劉丹明氏は、東北ネットで声明を発表し「黒龍江省で震度5以上の地震が発生する可能性は極めて低い、県内の建築物の耐震情況から見ると、震度5以下の地震は、大きな破壊力がない」と説明、市民に冷静な対応を呼びかけた。

(記者・高山、劉定一)