李登輝前総統:民主化が中共にとって最大の脅威

2005/10/17
更新: 2005/10/17

【大紀元日本10月17日】李登輝前台湾総統は14日、訪米での最初の講演を行った。講演の中で中共にとっての最大の脅威は台湾の独立問題ではなく、中国の民主化であることを指摘した。台湾民主化の過程において、米国は重要な役割を果たした。また、米国が全世界で押し広めてきた民主化運動は、すでにアフガニスタン及びイラクでつぼみが出始めているが、東アジアにおいて、特に中国では未だに民主化の兆候が見られていないと述べた。中央社が伝えた。

李前総統は、アラスカ州・州都アンカレジで世界事務会議メンバー及びアラスカ州ムコスキー州知事などの来賓に向けて、「台湾及びアジア環太平洋地区の民主化について」と題した講演の中で、次のように述べた。台湾の民主主義は中共にとって忌まわしい存在であるが、中国ないしアジア環太平洋地区にとって民主化に向けての希望であると語った。

李前総統は、中共が台海問題において武力行使も辞さないという構えの本質は、国民の関心を国内の社会問題から海外にそらし、自らの独裁政権の弊害と脆弱性を粉飾しようとするところにあり、各界に対して注意を呼びかけた。

李登輝前総統は、世界でもっとも人口の多い中国で民主化の動向がまだ見られず、中共の第十六期中央委員会第五回総会(五中総会)のコミュニケにも政治改革についてまったく触れてないと指摘した。また、国際社会及び米国は中国の民主化の実現に向けての努力がまだ足りず、さらに中国の経済の表面的な発展に惑わされ、中国人民の自由及び民主化を重視しなくなったと批判した。

また、台湾は中共の独裁政権との戦いの第一防衛線であると強調し、台湾の民主主義及び台湾の存在は、中国とアジアの民主化にとって重要な意義を持っているという持論を展開した。民主主義を推進する台湾の存在がアジア環太平洋地区での民主主義の発展に大きく寄与していると述べた。また、米国の同地区での利益をも守っていると台湾の民主主義の重要性をアピールした。

李前総統はこれから、ニューヨーク、ワシントンDC及びロサンゼルスを訪問し、米国会首脳と会談を行う予定である。今回は李氏が台湾総統に就任した1988年以来、初めてのワシントン訪問である。