【大紀元日本5月29日】北朝鮮外務省スポークスマンは5月11日、平壌当局が5兆ワット試験型反応炉の中から8,000本の核燃料棒を抽出することに成功したと発表し、今後北朝鮮は独自で国内の核工業を発展させることができると強調した。報道によると、核燃料棒は核兵器を製造する為に抽出されたものであるという。北朝鮮はその後、六カ国協議を終えても、一貫して核開発問題を使って緊張状態を維持し、自国に有利な外交を展開しようとしている。
しかし、北朝鮮がこのような一触即発の演技をしている反面、現在の中朝国境地帯は、かつての軍事的緊張から観光ブームへと姿を変えつつある。
北朝鮮との国境に近い集安市は昨年まで、中国当局が駐屯部隊を増派していた場所であった。2004年1月、中朝国境地帯に大軍15万が増派され野営訓練と国境警備の交代勤務を開始した。当時の集安の情勢は緊迫しており、通化市駅の出口全てに人民警察が配置され乗客が検問された。年頭には瀋陽駅で兵士数百人が通化市への列車を待っていたが、その大半が補充された新兵であった。
集安市は2004年4月、外部からの観光客の来訪を禁止する通知を出した。その理由は集安の高句麗遺跡改装のためであるという吉林省観光局等の発表が長安『新文化報』2004年4月28日号に掲載されている。これと呼応するかのように日本の『東京新聞』が、「北朝鮮観光局が中国遼寧省関係部門に観光客の受け入れ中断すると通知した」と報じた。これは1990年代以降、北朝鮮が初めて中国人観光客の受け入れを拒否したものであった。
さらに2004年5月28日、中央軍事委員会副主席兼中国国防部長・曹軍川氏は、中国東北部各軍の高級将校と協議し、兵力を提供するよう強調していた。
ところが、それから一年以上経った今年、アジア・タイムズの取材によると、中国人観光客の相当数が集安の旅行社を経由して北朝鮮を観光しているという。『集安国際旅行社』の責任者によると現在、集安の旅行社数社が10人以上の団体客を対象に、北朝鮮の満浦、妙香山、平壌等への3日~8日間のツアーを1,000人民元から2,000人民元で販売している。集安のタクシー運転手によると、今年の初春以降、集安の観光客は倍加しているという。
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