香港反日デモ:親共産党陣営、天安門事件の史実を隠蔽

2005/04/20
更新: 2005/04/20

【大紀元4月18日】(大紀元記者潘在殊、浦慧恩香港報道)昨日、香港で行った反日デモで、支聨会主席司徒华氏が演説を行い、中国共産党の天安門事件の史実に言及した。そのため、現場にいた親共派の者から排斥を受けていた。しかし、司徒华氏は誰でも歴史を隠しごまかし、改ざんしてならないと強調した。

釣魚島保護行動委員会や教協および中学生連盟などの多団体により行われた今回の反日デモは、民主派陣営の者もあれば親共派の者も参加した。それ以外の多くの参加者は、愛国感情を持つ普通の市民であり、彼らは一部日本人による中国侵略歴史の改ざんと釣魚島の支配に対し不満を感じる。支聨会主席司徒华氏は、デモ隊が終点到着後に演説を行い、日本の歴史改ざんに反対するとともに、中国共産党が天安門事件に関しても同様に史実を隠しごまかしてはならないと言及した。しかし、会議が親共派勢力にコントロールされる中、彼の発言が一部の参加者から排斥とブーイングをされ、また反日のスローガンを叫ぶことなどで彼の発言を食い止めた。

現場にいた「天安門行動」メンバー、立法会議員梁国雄氏は、親共派の行為に対しはなはだ憤慨を感じ、司徒华氏に味方していた。梁氏は、「実際は、共産党自身が主権を失いかけて国を辱めているのみではないか。今現在も、国内のデモ民衆を弾圧しているのではないか。彼ら(ブーイングした者)」は愛国というより、奴隷だ。「天安門事件」について演説したことは、彼らにいったい何の関係があるのか。彼らは反対すればよいのに、何の叫ぶ意味もないではないか。本当は、彼らはその虐殺を支持しているのだ。彼らも中国人だが、しかし考えてほしい。自分の国の政府は首都で国民を殺しているのだ」、と不平を言った。

司徒华氏も、中国共産党は歴史を隠しごまかし改ざんしてはならないと強調した。「歴史なら、どの部分でも隠したりごまかしたり改ざんしたりしてはいけないのではないか。そうだろう。あなたがある部分の歴史が隠しごまかされ改ざんされてもいいと、ある部分の歴史が隠しごまかされ改ざんされてはいけないと、思っているのか...このごろの新聞はつねにこのことに触れているが、その主旨はなぜ中国共産党自身が歴史を隠しごまかしてもよいのに、日本が歴史を隠しごまかしてはいけない、ということなのだ。もちろん、どちらも許されないことだと、私は考えているが。」

あらゆる政権に歴史の真実に還元するよう要求

昨日早朝、南方民主同盟がすでに軍国主義拡張反対という横断幕を掲げ、小泉首相の靖国神社参拝とその軍事拡張を反対するデモを行った。日本のほかに、中国共産党も抗日戦争の歴史を隠しごまかしている事実について質問され、そのメンバー柳玉成氏は、「確かに抗日戦争の主力軍は、国民党の軍隊だった。200ほどの対日大戦役の中で、共産党はわずか1回か2回ぐらいしかやらなかった。しかし、中国の教科書では、共産党の指導の下に抗日戦争が勝ち取った、と記している。これも同様に歴史記述を改訂する必要があると思う。」とコメントした。また、龍緯汶氏も次のように付け加えた。「今日のデモは、ただ日本に対するのではなく、歴史を隠しごまかしたあらゆる政権に歴史を正しく伝えるようにと呼びかけているのだ。」と。

アジア平和協会メンバー高橋信之氏は、「日本人として、日本軍が中国とアジアを侵略した事実は大変恥ずべきことだと思っています。日本政府が侵略の歴史を賛美する動きは許されません。軍国主義復活を阻止することは自分を含め良識ある日本人の歴史的使命だと思っています。日本市民の反戦運動と、中国民衆の民主化運動がいつの日か連帯し、平和で民主のアジアの建設へ向けて共に努力できればと思います」と語った。

最近、中国国内で起こっている反日感情の高まりについて、柳玉成氏は次のように分析した。中国共産党は政権を執って以来、ずっと政権の危機感を抱きつづけている。アメリカ大統領ブッシュが二回目の大統領就任の演説で、「悪の枢軸」国を消滅すると明言して以来、中国共産党はその危機感がより一層深刻となってきた。しかも、日米間には安保協議などの条約がある。したがって、中国共産党は台湾へ出兵するために根拠を探さなければならないので、「反分裂法」は、こういった状況下に出されたものだ。

同氏はさらに次のようにその説明を付け加えた。今の中国大陸では、膨大な数の人々が失業し、民衆の怨みがいたるところに満ちている。それに加えて、数ヶ月前から『大紀元』の社説シリーズ「共産党についての九つの論評」の発表に伴って、今既に90万人が中共とその関連組織からの離脱を表明し、大きな風波が立っているのだ。したがって、今の中国共産党は、頭を失った蝿の如く「保先」(共産党の先進性を保つ)運動などを行っていることによって、政権の危機を愛国行為に転嫁させているのだ。この反日デモも実は、その仕業なのだ。

「究極のところ、中国共産党はいつもその政権の危機を感じているわけだ」