ベネズエラ原油 中国の関与余地も 米国が主導維持=米エネ長官

2026/01/09
更新: 2026/01/09

クリス・ライト米エネルギー長官は、アメリカが影響力を維持する限り、ベネズエラにおいて中国とアメリカの双方が事業を行う余地はあるとの考えを示した。

ライト氏は1月8日、フォックス・ビジネスの番組で、麻薬テロ関連の罪で逮捕され、ニューヨークで裁判を受けるため移送されたマドゥロ大統領と中国との長期契約について、アメリカはどう対応すべきかと問われた。

これらの契約には、中国石油天然気集団や中国石油化工集団といった中国共産党(中共)の国有エネルギー大手との複数の石油開発案件が含まれる。対象は通常原油と重質原油の両方で、社会主義色を強めたウゴ・チャベス前大統領の時代に拡大した国有化路線をマドゥロ氏が引き継いだ形だ。

マドゥロ氏はその後も中国企業との協力を広げ、直近では2025年8月、中国の民間企業チャイナ・コンコルド・リソーシズが、2024年に締結した20年契約に基づき、2つの油田開発に着手した。総投資額は10億ドルで、2026年末までに日量6万バレルの生産を目指すとしている。

これらの権益を打ち切るべきかと問われたライト長官は明確な答えを避け、中国は「経済大国であり、大量の石油を消費する国だ」と述べた。

そのうえで「(中国は)アメリカにとって建設的なパートナーにもなり得るし、アメリカの立場を損なう存在にもなり得る。私は、ベネズエラではまさに後者の状況だと考えている」と語った。

さらに「中国がベネズエラに一定程度関与し続けることはあり得るが、アメリカが影響力を持ち続け、法の支配が守られ、原油の流れを把握できる状況であれば問題ない」との考えを示した。

ライト氏は、ベネズエラが中国と取引することと、ロシアやイランと取引することの間には一線があるとし、後者については「犯罪組織に近い(存在だ)」と表現した。

そして、「イランやその他のテロ組織、ロシアが、ベネズエラで大きな役割を果たすことは望んでいない」と述べた。

インタビュアーのマリア・バーティロモ氏は、中国が資源国に対して行ってきた、いわゆる「債務のわな」をベネズエラで繰り返させないため、アメリカはどう対応するのかとただした。

これに対しライト氏は、中共には「しばしば非常に邪悪な狙いがある」としながらも、アメリカは自国の「裏庭」とも言える地域でなお十分な影響力を持っており、ベネズエラは中共政権のやり方に従うよりも、アメリカ企業との取引を選ぶ傾向があると説明した。

「ここは西半球であり、ベネズエラの主要な相手国は歴史的に見てもアメリカだ」とした上、「中国と商取引を行う余地はあるのか。もちろんある。ベネズエラが中国の属国になることを許すつもりはあるのか。断じてない。トランプ大統領の下では、なおさらだ」と述べた。

ライト氏はインタビューで、石油大手の米シェブロンがベネズエラでの事業を拡大するほか、コノコフィリップスやエクソンモービルも参入を検討しているとの見通しを示した。

チャベス政権時代、エクソンモービルやコノコフィリップスなどの外国の大手エネルギー企業は、国営石油会社ペトロレオス・デ・ベネズエラ(PDVSA)との合弁で少数株主の立場に追い込まれたり、資産を没収されたりしたことを受け、相次いでベネズエラから撤退した。一方、シェブロンなど一部の企業は、政府との合弁事業として事業を継続した。

その後、投資不足や経営不全、インフラの老朽化に加え、西側諸国の制裁も重なり、ベネズエラの原油生産量は1990年代後半の日量約300万バレルから、2025年には推計で約100万バレルにまで急減している。

現在、シェブロンは米財務省の許可のもと、1日約12万〜15万バレルの原油をアメリカのメキシコ湾岸の製油所向けに輸出している。一方、残る原油の多くは中国向けに大幅な値引き価格で販売し、出所や仕向地を隠す「影の船団」と呼ぶ老朽タンカーを使って輸送している。これらの船は追跡装置を切ったり、偽装したりするなどの手法で規制をかいくぐっている。

Bill Pan
エポックタイムズ記者。教育問題とニューヨークのニュースを担当。