参政党が「日本人ファースト」を掲げて急速に勢いを増す中、立憲民主党の野田佳彦代表は「日本で暮らすすべての人が安心して生活できる社会の必要性」を強調し、外国人の住みやすさや多様性の尊重を訴えた。移民や外国人労働者の受け入れ政策を巡って、与野党の主張の隔たりがこれまでになく表面化している。
欧米などの西側諸国では、大規模な移民受け入れによって賃金低下や治安悪化、地元住民との摩擦が生じているという実態が報道されている。
日本においても、物価高騰や雇用不安が広がる中、既存の国民の生活や安全が十分守られていないとの不満が高まっており、「今のままでは同じ道を歩むのではないか」との懸念も社会に広がっている。
今回の参院選で参政党が国民の強い支持を得た背景には、こうした与野党問わず既存政党の政策が庶民の暮らしや安全を守ることに十分な具体性や説得力を持たず、国民の不信感や不安が蓄積していたことがあるだろう。
特に「外国人政策」が21%を超える有権者の関心事となり、FNNなど複数の調査でも、参政党が外国人政策に強い関心を持つ層から高支持を集めている。
神谷宗幣(かみや そうへい)代表は2025年7月3日のNHK参議院選挙演説で「私たち参政党は日本人の生活を守る。行き過ぎた移民受け入れには反対し、資格や能力に応じて選択的な受け入れを行う“選択的移民”を掲げている」と明確に主張している。
参政党の特徴は、単なる排外主義と明確に区別し「日本人中心の政策推進」を訴える一方で、移民排斥ではなく、社会や経済に必要な人材は能力や適正を重視して受け入れると繰り返してきた点にある。外国人の土地取得やインフラ利用の制限といった法整備にも力点を置いており、これに賛同する有権者がSNS上を中心に拡大している。
他方で、立憲民主党や共産党、社民党といった野党は、外国人との共生や権利尊重を社会の豊かさの基盤と位置付けるが、物価高や治安不安といった身近な課題に対する打開策という点で具体性に欠けるとの指摘もある。
SNS上では「自分たちの暮らしは本当に守られるのか」「政府は国民の声を聞いているのか」といった不安や疑念の投稿が数多く上がっている。労働力不足を理由にあまりに人々の暮らしや安全を軽視した政策が賃金の低下や犯罪などを発生させ、分断を生んでいるのではないだろうか。
移民や外国人政策を巡る対立が政治的対立軸となり、欧米型の分断が日本でも生じつつある。一方、排外主義の行き過ぎや、差別の助長に対する警戒もなお強い。今後、各政党が現実的かつ具体的な暮らしと安全を守るための政策を示せるかが問われている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。