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連邦判事 DOGEによる社会保障情報へのアクセスを当面禁止

2025/03/21
更新: 2025/03/21

アメリカ連邦地裁は、3月21日、イーロン・マスク氏が前面に立つ「政府効率化省(DOGE)」が、社会保障局(SSA)から個人情報にアクセスすることを、一時的に差し止める命令を出した。命令では、DOGEに対しすでに保有している個人情報の全削除も命じられている。

判決を出したメリーランド州のエレン・ホランダー連邦判事は命令で 、

「アメリカ国民の多くは、SSAを含む連邦機関から不正や浪費、無駄を排除しようというトランプ政権の姿勢を称賛し、支持するかもしれない。しかし、その手段と方法は問われるべきだ。DOGEは、社会保障局内で不正の『流行』を探そうと、ほとんど根拠のない疑念に基づく『漁夫の利』狙いの調査に乗り出しているに過ぎない」

と、述べた。

DOGEが取得していたとされるデータには、社会保障番号や医療・精神医療記録、税情報、銀行口座情報、運転免許証番号、住所など、何百万人分もの極めて機密性の高い個人情報が含まれていたと言う。

全米州郡自治体職員連盟(AFSCME)などが2月に、この訴訟を起こした。原告側は、DOGEが「ほぼ無制限」のアクセス権を持っており、DOGEは、連邦議会や行政府が定めたプライバシー保護の枠組みに明確に違反していると主張していると言う。

DOGEによる社会保障局での活動について「単なる前例のないデータ収集ではなく、前例のない権力の掌握でもある」と強く批判した。

原告側は、DOGEの取り組みを「行き過ぎた介入」と表現し、「明確な権限もなく、連邦議会や行政府が設けた個人情報保護の枠組みを無視して、数千万の国民の個人情報を調査・公開しようとしている」と決めつけ、訴えた。

これに対し、トランプ政権の弁護士は今月初めに提出した書面で、「原告側は当事者適格、つまり訴訟を起こすことを認める法的概念を有していない」と反論した。

政権側によれば、DOGEはSSA内に10人の連邦職員チームを派遣しており、そのうち7人が読み取り専用で個人情報にアクセスできる状態にある。これらの職員は、プライバシー研修を受けており、8人が身元調査に合格しているという。

また、原告側は、DOGEによる情報アクセスが差し迫った損害をもたらすことを示す証拠を提示できていないと述べた。

「政府が合法的な権限のもとで、職員を雇用し、業務遂行のために必要なシステムへのアクセスを与えることは、公益にかなっており、妨げられるべきではない」

DOGEとマスク氏は、同部門の調査により、「120歳以上の人物が数百万人単位で、社会保障の対象として登録されており、なかには220歳超、最高で360歳とされる人物も存在している」ことが判明したと主張。

これについて、社会保障局のデュデック局長代行は2月に声明を発表し、DOGEの調査結果を認めつつも「それらの人物が実際に給付を受けているとは限らない」と述べた。

DOGEによる歳出削減手法をめぐっては、複数の判事が懸念を示しているものの、現時点ではリスクが「差し迫ったもの」と判断されるには至らず、政府システムへのアクセス自体を、制限するには至っていないと言う。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。