トランプ大統領は22日、イーロン・マスク氏とともにフォートノックスを訪れ、金が本当にそこにあるのかを確認すると発表した。

フォートノックスは1930年代後半から、アメリカの公式な金準備の大部分を保管しており、厳重な警備が敷かれている。先週、スコット・ベッセント財務長官は「毎年監査が行われ、すべての金は確認済みである」と述べた。

しかし、トランプ大統領は22日に開催された保守政治活動会議（CPAC）で、「我々もフォートノックスへ行く。イーロンと一緒に行く」と宣言。

「誰か一緒に行きたい人はいるか？　 私たちは本当に金がまだそこにあるのか確かめたいのだ」と語った。

さらに、「もし金庫を開けて金がなかったら大変なことだろう？」と冗談めかして発言し、「だから我々はその扉を開く」と述べた。

大統領はまた、金庫室が開けられて何もなかったとしても驚かないように聴衆に語った。フォートノックス訪問の具体的な時期については明言しなかった。

「もし27トンの金があれば、我々はとても喜ぶだろう」とトランプ氏はCPACの聴衆に語り、「どうやって測るのか分からないが、かまわない。フォートノックスにピカピカの金がたくさんあるのを見たいのだ」と語った。

さらに、「扉を開けて『何もない、これも盗まれたのか！』なんて言うことになっても驚かないように」とも冗談交じりに語った。

マスク氏のライブ中継提案

先週、トランプ大統領とマスク氏はフォートノックスの金準備の状況を確認したいと発言していた。

マスク氏はXで、フォートノックス内部の様子をライブ中継することを提案。「フォートノックスのライブ放送の視聴率は最高だろう」と2月19日に投稿した。

フォートノックスの概要と金準備の現状

フォートノックスは、ルイビルの南約56kmに位置し、ケンタッキー州のブリット郡、ハーディン郡、ミード郡にまたがる約10万9千エーカー（約44万平方メートル）の敷地を持つアメリカ陸軍基地である。

第一次世界大戦中にキャンプ・ノックスとして設立され、その後、砲兵訓練センターとなった。

1932年に正式な軍事施設となり、1937年には最初の金が到着。第1騎兵連隊がその輸送を警護した。

アメリカ造幣局によると、フォートノックスのアメリカ金地金保管庫には現在、1億4730万オンス（約4570トン）の金が保管されている。これは財務省が保管する金の約半分に相当する。

造幣局の公式サイトには「これまでに取り出された金は、定期的な監査で純度を検査するために使用されたごく少量のみだ。これらのサンプルを除き、長年にわたって保管庫から金が移動されたことはない」と記されている。
フォートノックスに保管されている金の帳簿上の価値は1オンス42.22ドルとされている。また、軍事基地から大量の金が引き出されたのは何年も前のことだという。

トランプ政権下で設立されたDOGEは、イーロン・マスク氏のもと、連邦政府の各機関を監査し、詐欺、不正、浪費の削減を目指している。

今回のフォートノックス視察計画も、その一環として行われるものとみられる。