靖国神社に落書きした中国人の男に懲役1年求刑 中共が叫ぶ愛国の言葉に操られるネットインフルエンサーたち

2024/12/23
更新: 2024/12/23

中国人気インフルエンサー「鉄頭」ら3人は靖国神社の石柱に落書きした後、中国外交部から支持を得た。「鉄頭」と他の1人の容疑者は既に中国に逃亡したが、もう1人の共犯者は日本で裁判を受けることになった。

共同通信によると、東京都千代田区の靖国神社の石柱に落書きをし、器物損壊と礼拝所不敬罪で起訴された中国籍の被告に対し、東京地方裁判所は12月19日に検察側の求刑意見などを聞く公判を開いた。

検察は「神社の顔とも言える石柱の外観を著しく損なった」として、懲役1年を求刑し、弁護側は寛大な判決を求めた。この事件の審理は当日で終了し、25日に判決が言い渡される予定だという。

ここ数年、現在中国のネット上には、「五毛党」と呼ばれる世論工作を担当するネット書き込み隊や、当局の世論操作・形成を支援してアクセスを稼ぐ「愛国大V(ネットインフルエンサー)」らが出没している。こうしたメディア世論操作は古くは毛沢東時代の党機関紙によく見られたが、今日ではこうした操作はネット世論にも拡大している。

ある中国国内の投稿主が明らかにしたところによると、中国以外のニュース記事を読んで編集し、都合のよい部分だけを切り取り、そこに何らかの陰謀論を付け足し、BGMや解説とともに動画を投稿すると、一つの動画に対し3~10万の再生回数は維持できるという。収入は121万元、日本円にして約2300万円以上だった。しかし、中国経済が低迷し、社会が不安定化する中で、こうしたインフルエンサーの中にも今回のような行動をしでかすものも出てきている

検察の陳述によると、今回、靖国神社の石柱に落書きした被告はスプレー塗料を購入し、来日した2人の中国籍男性共犯者を神社まで送り届けるなど、犯行に不可欠な役割を果たしたとされている。検察は、落書きが完全に消せず「取り返しのつかない損害が発生した」と非難している。

被告は初公判で、東京電力福島第一原発の処理水海洋放出に抗議する目的だったと主張した。しかし検察は、被告が犯行前日に共犯者と東京で海鮮料理を食べていたことを明らかにし、主張された抗議目的と一致しないと指摘した。

起訴状によると、被告は5月31日、共謀して石柱に赤いスプレー塗料で「Toilet」(トイレ)と落書きし、公然と不敬な行為をしたとされている。以前の報道によると、被告は中国籍の姜卓君(29歳、無職)で、10数年前に来日したと述べている。

5月31日夜、中国人男性の董光明(ネット名:鉄頭)が靖国神社入口の「靖国神社」と刻まれた石柱に向かって放尿し、赤いスプレーで「Toilet」と噴射した。この様子は、撮影担当とされる許来玉によって撮影され、中国のSNSにアップロードされた。董光明と許来玉は犯行後、6月1日未明に帰国した。

7月9日、警視庁公安部は、靖国神社の石柱への落書きに関与した疑いで「器物損壊」および「礼拝所不敬」の容疑で、埼玉県在住の中国人の男、姜卓君を逮捕した。他の2人の中国籍容疑者、董光明(36歳)と許来玉(25歳)に対しても逮捕状を出し、指名手配した。

中国共産党による長年の洗脳教育で、中国人にとって「愛国心」こそが至高となった。「愛国」の看板を掲げ、大衆を扇動する「愛国商売」は中国国内でうけが良く、当局にとっても都合がいい。

共産党についての九つの論評【第九評】中国共産党の無頼の本性には次のように記されている。

「中共は『愛国主義』、『民族主義』といったスローガンを、人々を騙すためのアメとして使っている。『愛国主義』『民族主義』は共産党の大きい旗(看板)であるだけでなく、何回試しても同じ良い結果をもたらすスローガンである」

「『党』は中国にあっては無上の存在であり、『国家』は『党』の付属なのである。『国家』は『党』のために存在し、『党』は人民の化身であり、『国家』の象徴である。党を愛し、党指導者を愛し、国を愛することがまぜこぜになっている。これこそ中国の愛国主義が捻じ曲げられた根本原因である」

 



共産党についての九つの論評【第九評】中国共産党の無頼の本性

中国共産党は全ての中国人を服従させる必要のある大事に当っては、「愛国主義」、「民族主義」方式で民衆を緊急動員する