[ソウル 25日 ロイター] – 韓国銀行(中央銀行)が25日発表した2024年第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、季節調整済み前期比0.2%減少し、予想(0.1%増)に反してマイナスとなった。
輸出が好調な一方で個人消費が低迷する中、市場の早期利下げ観測が高まった。
第1・四半期GDPは1.3%増と、2021年第4・四半期以来の高い伸びを記録していた。
軟調な第2・四半期GDPに加え、6月の消費者物価指数(CPI)も鈍化したことから、一部のアナリストは韓国銀行(中央銀行)に早ければ来月の利下げを求める声が高まるとみている。
中銀は今月、政策金利を12会合連続で3.50%に据え置き、利下げの時期を検討すると表明した。
キャピタル・エコノミクスはGDP統計について、内需がさらに悪化することを示唆していると指摘。「軟調なGDP統計を受け、利下げが近いという確信が強まった」とし、「われわれは10月の緩和開始を予想しているが、8月利下げのリスクも高まった」と述べた。
韓国中銀が第4・四半期まで利下げを見送り、米連邦準備理事会(FRB)が先に動くのを待つとの見方もある。
中銀の統計責任者は記者会見で、韓国経済が中銀の今年の成長率予測(2.5%)を達成できるとの見通しを示した。
第2・四半期GDPは前年比では2.3%増加。第1・四半期は3.3%増だった。
民間消費は前期比0.2%、建設投資は1.1%、それぞれ減少。一方、輸出は0.9%増、政府支出は0.7%増だった。
軟調なGDPにもかかわらず、一部のアナリストは利下げを巡り当局者がなお考慮すべきリスクがあるとみている。
シティグループのエコノミスト、キム・ジンウク氏は10月の利下げを予想しつつ、住宅価格上昇がタカ派的なリスクだと指摘。「ソウル周辺の住宅価格上昇によるタカ派的リスク要因が、ハト派的なリスク要因を上回るだろう」と述べた。
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