父親不在の家庭 子供の発達と行動に影響=米シンクタンク

2023/07/19
更新: 2023/07/18

米シンクタンクのアメリカ・ファースト・ポリシー研究所(AFPI)は報告書を発表し、米国の子供たちのおよそ4人に1人が父親のいない家庭で暮らしており、行動や精神衛生上で悪影響を及ぼしていると述べた。こうした問題に対処するため、法改正や父親としての役割の重要性を周知することが必要であると指摘した。

1987~2022年までに実施された数十の研究を比較したAFPI は、父親のいない家庭で育った子供と、成績不良や不安障害、自殺、暴力行為、薬物使用、犯罪などの問題との間に明確な相関関係があることを発見した。

米国国勢調査局のデータによると、米全土で約1830万人の子供が父親のいない家庭で暮らしており、これは米国の子供の約4人に1人にあたる。ひとり親家庭の80%は父親のいない家庭である。

報告書は「父親が積極的に関与している子供は、学校での成績がはるかに優れており、留年する可能性が33%低く、高成績を残す割合が43%高い」と指摘した。また、週に30分だけでも、父親と1対1で会話する時間があれば、子供の精神衛生に良い影響を与えると付け加えた。

「父親のいない子供は、他の子供よりも自尊心が低い傾向にあるため、不安障害、引きこもり、うつ病など、さまざまな精神的問題を引き起こし、自殺やその他の自傷行為のリスクも高まる」とAFPIは述べている。

司法省のデータによれば、青少年の自殺の63%と行動障害を持つ子供の85%は、父親のいない家庭で起きているという。

犯罪や投獄との関連についても「父親のいない子供は投獄される可能性が20倍高いというデータもある」と報告書は指摘。父親の収入がないことよりも、父親による指導がないことが、青少年が非行に走る大きな要因だとした。

AFPIはこうした問題に対処するため、結婚や家族の安定を阻害する要因があると指摘される、連邦政府の税制や社会福祉政策の見直しを呼びかけるほか、父親であることの喜びを分かち合う活動を支援するよう、政府関係者や地域社会のリーダーたちに求めると述べた。

「アスリート、有名人、ミュージシャン、俳優、そして国民的なロールモデルたちが父親であることの重要性を訴えることで、国民の意識の最前線に押し上げることができる」

ここ2、3年、多くの共和党議員が積極的に家族支援法案を提出している。特に、フロリダ州のマルコ・ルビオ上院議員は、妊婦や新米ママに焦点を当て、若い家族を支援する7つの法案を提出した。

ルビオ氏は、多くの家庭が共働きである現在「わが国の法律は、親が子育てと仕事、その他の優先事項のバランスを取りながら日常生活を送れるよう、新たな道を切り開くために努力すべきだ」と強調した。

(翻訳編集・ 徳山忠之助)