24日、日本で巡回公演中の神韻芸術団が、東京の新宿文化センターでの初日公演を迎えた。昼夜2公演のチケットは1か月以上前に完売。今シーズンで一番の寒波が日本列島を襲ったこの日、ニューヨーク発の夢の舞台が東京の劇場を感動と熱気に包み込んだ。
「古代中国の姿を全世界に伝える、とても重要な取り組みだと思います」「中国の世界観、古典的なふるまい、装いが体現されていました」とセルギー・コルシンスキー駐日ウクライナ大使は公演の鑑賞後に語った。
神韻芸術団は最先端の映像技術を取り入れ、3Dデジタル背景幕は荘厳な宮殿やそびえ立つ名山を舞台上に描き出す。
コルシンスキー大使は「舞台での踊りとテクノロジーの組み合わせにも魅了されました。芸術の真髄です。これほどのものはかつて見たことがありません」と称賛した。
旧ソ連体制を知るコルシンスキー大使は、共産主義によって破壊された中国伝統文化を復興させる神韻の取り組みに関心を寄せた。
「中国文化のルーツを知ることは重要」だと指摘、「中国の数千年の歴史には数々の偉業と奥深い哲学、そして華麗な芸術がありました」と述べた。
ジュエリーデザイナー「魂の根底にあるものが大切」
同日、ジュエリーブランドで社長を務める大窪鈴子さんが、公演鑑賞後に取材に応じた。「文化的な背景や歴史的な背景がはっきりわかって、とても感動しました」と語った。
デザイナーとしての大窪さんの感性は、舞台上の色彩に向いていた。「すごく鮮やかで美しかったと思います。同じ赤や青でも国の文化によって表現する色合いが違うので、素晴らしいと感じました」
「舞台衣裳も素晴らしいし、立ち振る舞いや演劇の踊りが素晴らしくて、すごく良かったなと思います」
バリトン歌手の歌声にも感激したという。「踊りでも歌でも、表現するということは私の仕事にも関係しているので、すごく興味深く聞いていました」
神韻芸術団は、芸術表現を通して失われた中国伝統文化の精神を体現している。大窪さんは舞台から「人間の魂の根底にあるもの」を感じていた。
「自分の内面の精神的なもの、人間の魂の根底にあるものはすごく大切だと思います。それは言葉で表現しなくても、踊りとか仕草とかいろんなことで表現できる」
「中国の文化に親しみ感じる」医者が修練文化に共感
同日、県立総合病院で総合診療センター長を務める袴田康弘さんが公演を鑑賞した。
コロナ前に神韻を鑑賞して以来、三年ぶりの来日公演を待ち遠しく思っていたという袴田さんは、幕が上がった瞬間「やっぱり素敵だな」と思ったという。
女性宮廷舞踊の美しさに、文化を超えた普遍性を感じていた。「流れる水のような黄緑色の舞踊があったでしょ。万物の根源は水だとギリシャ哲学のタレスは言ったが、中国文化も一緒だなと思いました」
儒教を学ぶ若者を描いた演目では、五言詩を詠む学生のもとに孔子が現れて知恵を授ける。袴田さんはそうした演出に親しみを感じたという。
「五言絶句もとても素敵でした。そういう時に必ず神の啓示といった話が出てきますけど、そういうことに対して、僕らは英語の文化よりも中国の文化に親しんでいる。自分たちはこういう文化に根付いて教育されたんだなと感じた」
袴田さんは神韻の舞踊から、徳や修養を重んじる中国文化のエッセンスを感じ取っていた。
「私どもがこの舞踊にとても深い共感を覚えるのは、メディテーションとか自分の中でよく考えるといった、中国からもらっている文化が自分たちの文化とよく一致するからです」
ニューヨークを拠点とする神韻芸術団は現在、8つの同規模の芸術団を抱え世界中で巡回公演を行なっている。日本で神韻公演を観れるのは今月末まで。残る開催都市は名古屋のみ。ツアー日程は公式サイトで確認できる。
大紀元は神韻芸術団の後援として、2006年の芸術団創設以来、観客の声を伝えています。
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