米国空軍のB-1Bがインド・太平洋爆撃機部隊の任務を完了

2022/12/20
更新: 2022/12/20

米国空軍は、2022年10月17日から11月20日にかけて、インド太平洋地域の同盟国および提携国と共に爆撃機部隊(BTF)の任務を遂行するため、4機のB-1Bランサーを配備した。 サウスダコタ州エルズワース空軍基地の第28爆撃航空団第37爆撃飛行隊に所属する爆撃機が、グアムのアンダーセン空軍基地に飛行し、ミッションを支援した。

B-1B戦略爆撃機はグアムで、航空自衛隊のF-2戦闘機、韓国軍のF-35A戦闘機、米国空軍のA-10CサンダーボルトIIなどとともに、敵対抑止、空中統合、相互運用性訓練などさまざまな任務を遂行した。

B-1Bは26回のミッションを飛行し、360時間以上の飛行時間を記録した。 日本の三沢基地でホットピット給油作業を行い、11月上旬には「ビジラント・ストーム23(Vigilant Storm 23)」の一環として、韓国のF-35Aに米国空軍第51戦闘航空団F-16が加わった合同訓練飛行(写真)を朝鮮半島で実施した。

第37遠征爆撃隊作戦部長のダニエル・マウント(Daniel Mount)中佐は、「爆撃機部隊の展開と任務は、地域の連合国・提携国との重要な保証と協力を提供する」と述べ、 「B-1爆撃機はこの地域で特に有能なプラットフォームであり、長距離を移動でき、精密弾薬やスタンドオフ弾薬で大きな火力を発揮することができる」と付け加えた。

B-1B爆撃機は超音速に達し、米国空軍の爆撃機の中で最大の積載量である最大34,000kgの通常兵器を搭載することができる。 ただし、新戦略兵器削減条約に基づき、核兵器を搭載することはできない。

米国戦略軍は、集団防衛に対する米国のコミットメントを示し、地域別戦闘軍の作戦と統合するために、世界中で日常的に爆撃機部隊の作戦を遂行している。

爆撃機部隊の任務は、米国の国家防衛戦略の目標を支援し、戦略爆撃機が海外や米国本土のさまざまな場所から、より柔軟で運用回復力をもって活動することを可能にする。

B-1Bは配備の初期に、アンダーセン空軍基地から出発した訓練ミッションの中で、米国海軍部隊と統合して沖縄沖で機雷演習(MineX)を実施した。

第37爆撃飛行隊司令官クリス・マコンネル(Chris McConnell)中佐は、「(爆撃機部隊)ミッション中に機雷演習を実行することで、必要なサービス間の統合訓練を通じて、プロセスに関わるすべての人の絆を深めることができる」と述べている。 さらに、「軍需品を製造・配送する海軍の人員から、軍需品を航空機に適切に搭載する兵器搭載担当者にいたるまで、飛行隊員と計画立案者が任務を遂行し、海軍の提携軍や同盟軍と共に飛行する」と語った。

第28軍需飛行隊兵器装填手とグアムの海軍軍需司令部太平洋部隊の船員からなるチームが、B-1B爆撃機に1個約226kgの「マーク-62 クイックストライク(Mark-62 Quickstrike)」機雷21個を装填した。 B-1Bは、訓練用模擬機雷を沖縄沖に展開した。

機雷は、水上艦や潜水艦を破壊し、低コストで戦域を形成し、戦力を保護するために用いられる爆発装置だ。 また、機雷は、敵が特定の場所に近づけないようにしたり、目的の場所に敵を誘導するために使用されることもある。

B-1Bは、ビジラント・ストームで韓国戦闘機と合同訓練を行った後、日本海上空で航空自衛隊のF-2、米空軍第35航空団F-16と統合訓練を行った。 このミッションにより、主要な同盟国との即応性と相互運用性が強化された。

B-1Bは、韓国のF-35Aとともに韓国上空を飛行し、朝鮮半島防衛のための拡大抑止に対する米国の鉄壁のコミットメントを示した。

また、B-1Bは米国空軍機との空中統合・相互運用性訓練を実施しており、11月上旬にはジョージア州ムーディ空軍基地第23飛行隊のA-10CサンダーボルトII 4機と太平洋上で編隊訓練を実施(写真下)した。

翌週、B-1Bはグアムから三沢基地に飛来し、「ホットピット」給油を行った。これは、航空機が着陸後、エンジンを止めずに給油を行い、地上での滞在時間を短縮するものだ。

マコンネル中佐は「ホットピット給油は、航空機に素早く燃料を補給して空中に戻す手段を提供し、自国の基地から到達できない飛行ルートを拡張することができる」とした上で、 「我々の任務に柔軟性を与え、必要に応じてB-1を迅速に戦闘に復帰させる能力を実証するものでだ」と述べた。

海外での訓練は、他の地域や空域に精通し、グローバルな課題に立ち向かうために必要なスキルと人間関係を強化することができる。

「爆撃機部隊の任務は、我が国の合同部隊に加えて、インド太平洋地域の多くの同盟国や提携国と統合する能力を示すものだ」とマコンネル中佐は述べ、 「爆撃機の乗組員にとって、複数のミッションに対応する貴重な訓練となる。また、この地域全体で演習を行うことで、自由で開かれたインド太平洋を維持するという我が国のコミットメントを示すことができる」と語った。

Indo-Pacific Defence Forum