米国を拠点とする調査企業のIPVM(Internet Protocol Video Market)はこのほど、中国の浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)の監視カメラ4種類に「ウイグル族やチベット族の顔を識別できる機能が搭載されている」と報告した。同社ウェブサイトでも同機能を紹介していたという。
指摘を受け、ダーファは17日、IPVMに対して自社サイト上の掲載内容を認めたが、「以前掲載したもので、すでに古くなっている。指摘の機能は商用目的で開発したものではない」と主張。
ダーファは中国杭州市を本拠とする監視カメラ設備の製造企業で、2015年の時点で世界第2位の市場シェアをもっていた。
IPVMは数年前から、新疆ウイグル族やチベット族などの少数民族向けに製造されたダーファの監視装置について調査を行ってきた。今回の調査は3度目となる。
昨年2月、IPVMと米ロサンゼルス・タイムズ紙は、ダーファが中国の警察に提供するビデオ監視システムの中にウイグル人の行動履歴を通知する「ウイグル人アラート」が含まれていると報じた。
18年、ダーファは新疆の警察署に監視システムの構築や運用などのサービスを提供し、10億ドル近い契約を獲得していた。
米商務省は19年10月、「ウイグル族などイスラム教徒への抑圧や恣意的な大量拘束、ハイテクを使った監視といった中国の人権侵害に関わった」として、ダーファをはじめ、監視カメラ世界首位のハイクビジョンなど計28団体・企業に事実上の禁輸措置を課した。
新疆では中国当局が監視カメラ技術を使ってウイグル族を「テロ対策の名目」で弾圧し、深刻な人権侵害を行っているとして、国際社会から批判が集まっている。
(翻訳編集・李凌)
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