[ワシントン 14日 ロイター] – 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は14日、ロシアがウクライナで「戦略核兵器もしくは低収量核兵器を使用するという脅威を軽視できない」という認識を示した。
バーンズ長官は米ジョージア工科大学で講演し、こうした脅威はロシア軍が大きな損失を被り、ウクライナの首都キーウを制圧できず、首都周辺から後退を強いられるという状況に陥っていることが背景と指摘した。
同時に、軍の展開や配置など「こうした懸念を裏付けるような実際的な証拠は多く確認していない」と述べた。
ロシアのプーチン大統領の最側近の1人で、安全保障会議副議長を務めるドミトリー・メドベージェフ氏は14日、スウェーデンとフィンランドが北大西洋条約機構(NATO)に加盟すれば、ロシアは地域での防衛力を高める必要があると警告、核兵器の配備も示唆した。
バーンズ長官はまた、バイデン米大統領の指示を受け、「プーチン氏による戦争の計画を巡る米国の深い懸念とロシアが直面することになる結果について、プーチン大統領と複数の側近らに直接伝えるため」、昨年11月にモスクワを訪れたと明らかにした。
プーチン大統領はその時点で、最終決定を下していなかったようだが、ロシア軍が「最小限のコストで迅速な決定的勝利を納める」ことを確信している様子で、「不安を感じた」と述べた。
さらに、プーチン大統領は米国の欧州同盟国が国内政治に気を取られているほか、ロシアには「制裁に耐えられる」軍事費があるとも確信していたと述べた。
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