[ワシントン 15日 ロイター] – ウクライナを巡る緊張が高まる中、米国や同盟国はロシアによるサイバー攻撃に対し報復措置を講じる用意があると、米欧当局筋が15日明らかにした。具体的な対応はサイバー攻撃の規模次第になるという。
ウクライナは15日、同国の国防省と銀行2行がサイバー攻撃を受けたと発表。バイデン米大統領は記者団に対し、米政府はサイバー空間の脅威に対する防衛強化のため北大西洋条約機構(NATO)同盟国などと緊密に連携していると明らかにした。
米欧当局筋は、15日のサイバー攻撃は予想外ではなかったと述べた。西側の専門家はロシアによる犯行とみている。
米当局者は「(バイデン)大統領は軍事侵攻の手前のロシアの行動に対処する意向を示しているが、どのような措置が決定されるかはサイバー攻撃の規模次第だ。多くの選択肢があり、具体的に踏み込むのは難しい」と語った。
欧州外交官は、サイバー攻撃は以前からロシアの戦略の一部であり、ジョージア(グルジア)やウクライナとの過去の軍事衝突でもロシアはサイバー攻撃を行ったと指摘した。その上で、ロシアにサイバー攻撃や他の「不正行為」の責任を取らせるため西側諸国は協調して対応する決意だと述べた。
西側の計画について知るサイバー専門家は、報復措置の選択肢として、制裁のほかに、関与したサーバーに対する物理的攻撃もしくはサイバー攻撃もあり得るとの見方を示した。
当局筋は、過去のサイバー攻撃に関与した多くのロシア人が既に制裁リストに載っているが、さらに追加される可能性があるとしている。
欧州当局者は「サイバー攻撃を受けた際の対応について詳細な計画はない。個別の事例の状況次第だ」と語った。
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