中国やキューバなどに駐在する米外交官らが原因不明の体調不良に陥る、いわゆる「ハバナ症候群」について、米中央情報局(CIA)は外国勢力の攻撃による可能性は低いとする報告書を発表した。ニューヨーク・タイムズ紙などが20日、伝えた。
2016年にキューバの駐在外交官らが頭痛や吐き気などの健康被害を訴えたことからこの名前がついた。以後、同様の報告はおよそ1000件に上り、米外交官を狙った外国機関などによる攻撃の可能性が取り沙汰されてきた。
報道によると、健康不良は環境的な原因やストレスなどによって引き起こされた可能性があるとし、外国勢力の攻撃を示す証拠は見つからなかったと結論づけた。いっぽう、CIAは20件の原因不明の事例については特定の国の関与を排除できていないとして調査を継続する方針だという。
マルコ・ルビオ上院議員は「CIAの発表は暫定的なものに過ぎない」とし「今後もこの問題を優先し、脳障害を含む健康障害の原因を突き止めていく必要がある」と強調した。
米外交官を襲った原因不明の健康被害は、マイクロ波兵器ではなくコオロギによって引き起こされた可能性が高いとの説もある。機密解除済みの米国務省の科学調査報告をバズフィード・ニュースが昨年9月に報じた。
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