法輪功情報サイト「明慧網」の統計によると、今年1~10月までに、中国国内で少なくとも101人の法輪功学習者が迫害を受け死亡した。
そのうち21人は、警察署内、または看守所や刑務所に拘禁されている間、拷問や暴行を受けて死亡した。
また、少なくとも75人は不当判決を言い渡され、強制労働や洗脳を受け、精神病院などの施設に拘禁されたことがあり、拷問や強制労働のほかに得体の知れない薬物も注射された。75人は、解放され自宅に戻された後も、当局から絶えず嫌がらせを受け、拷問などによる後遺症に苦しんでいた。
101人の学習者は中国の24の省・市の住民である。死亡者が最も多く出た省は遼寧省で、19人だった。黒龍江省は2番目に多く14人。3番目に多いのは吉林省で11人。101人のうちの4割超は中国の東北部に集中する。
河北省の医師は獄中で死亡
河北省秦皇島市の法輪功学習者の潘英順さん(70歳)と妻は、2018年1月19日に当局に拘束された。19年、当局は夫婦にそれぞれ4年6カ月と4年9カ月の懲役刑を言い渡した。生前医師だった潘さんは、同省の冀東刑務所に拘禁され、今年7月30日に死亡した。
潘さんの妻は現在、石家荘女子刑務所に拘束されており、夫の死を知らされていない。
2度も不当投獄された経営者
遼寧省瀋陽市でケーキ屋を経営していた女性の郭鴻雁さんは、2009年と15年に、2度も不当に投獄された。20年4月30日に自宅で亡くなった。
15年3月19日、地元当局は郭さんに3年の懲役刑を言い渡した。刑務所で、郭さんは法輪功の修煉を放棄しないと表明したため、長時間にわたってしゃがまされるなど、様々な拷問を受けた。
17年4月、当局は郭さんを釈放した。しかし、夫が離婚を切り出したため、郭さんは心理的にさらに強い打撃を受けた。郭さんは20年に死亡した。
11年に及ぶ不当投獄
遼寧省大連市の製薬工場の従業員だった宋秀蓮さん(60歳)は、11年間不当に投獄された。宋さんの釈放後も、当局は嫌がらせや脅迫、一時拘束を続けた。精神的圧力を受けていた宋さんは、今年8月31日に死亡した。
法輪功は、「真・善・忍」を原則とし、心身の健康と道徳の向上を目指す佛家修煉法である。中国の江沢民元国家主席は、学習者の数が中国共産党員の人数を上回ったことは共産党政権への「脅威」であると決めつけ、1999年に法輪功学習者への弾圧を始めた。
国際社会では、法輪功学習者への迫害を今もなお続けている中国当局に対する非難の声が高まっている。米国のトランプ前政権は2020年12月10日、法輪功学習者への迫害に関与したとして、福建省厦門市警察の幹部である黄元雄とその親族らに制裁を科した。
(翻訳編集・李凌)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。