[シドニー 12日 ロイター] – 台湾の高官は12日、環太平洋連携協定(TPP)への加盟申請を支持するようオーストラリアに求めた。台湾の加盟はハイテク製品の貿易を活発にし、豪州産の鉱物資源の需要押し上げにもつながると述べてアピールした。
台湾の駐豪大使に相当する常以立・駐豪台北経済文化代表処代表は豪議会の委員会で、台湾の加盟申請を支持すれば、中国による最近の豪製品のボイコットで影響を受けている国内企業に「強いメッセージを送る」ことになると強調した。
「中国によるオーストラリアへの経済制裁は、台湾により深く緊密に関与するさらなる根拠を与えている」と主張した。同委はオーストラリアが台湾の加盟に賛成すべきかどうかについて提言する見通し。
TPPには台湾のほか、中国と英国が加盟を申請している。
中国は台湾の加盟に猛反対しており、台湾は中国を、台湾をいじめることに熱心な「大犯罪者」だと批判している。
中国はオーストラリアの最大の貿易相手国で、豪州の中国向け輸出は7月に過去最大の194億豪ドルに上った。旺盛な鉄鉱石需要が背景にある。しかし、両国の外交関係はここ数年で冷え込んでいる。
台湾にとって、オーストラリアは農産品の3番目に大きい輸入先だ。常氏は、TPP加盟は商取引を行い、サイバーセキュリティーにおける協力を強化する土台になるとの見方を示した
「中国による反対は想定外だったわけではない。中国はあらゆる手を尽くして台湾がいかなる国際組織に参加するのも阻止するだろう」と述べた。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。