[東京 5日 ロイター] – 岸田文雄政権で新設された経済安保担当相に就任した小林鷹之衆院議員は5日、就任会見で「国力を高めるため経済と安保の車の両輪をしっかり回したい」と述べた。自民党が提言している経済安保関連法案について、次期通常国会での提出も視野に必要な対応を検討すると強調した。
小林担当相は「経済と安保が融合する世の中になりつつある」と指摘し、背景として「米中対立が長期化の様相を見せている」ことなどを挙げた。
岸田首相から、戦略物資の確保なと自立的な経済に向けた指示があったとした上で、安保リスクに対し日本の自立性を確保し、技術・産業競争力や優位性を確保し、日本の技術が世界からみて重要とみなされる「不可欠性の獲得」が重要、と強調した。
<重要技術の特定、半導体需給安定に取り組む>
就任後、優先的に取り組む課題として、1)重要技術の特定と保全・育成、2)基幹インフラ産業の安全性・信頼性の確保、3)サプライチェーン(供給網)の強靭化━━を挙げた。
特に半導体については「中長期的な需給安定のため他国に匹敵する取り組みを早急に進める」方針を示した。先端半導体の製造拠点の日本への誘致を国を挙げてしっかり推進すると強調した。
<経済安保、特定の国は念頭にない>
中国との関係に関して「日中関係の安定は国際社会の繁栄のために必要」と指摘。経済安保は「特定の国を念頭に置いたものでない」とも述べた。
これまで小林氏と共に経済安保政策を自民党内で推進してきた甘利明幹事長がテレビ番組で、経済安保は日中間の経済関係と安保のデカップリング(切り離し)が主眼だと説明したことについて受け止めを問われたが、「発言の真意は知らない」と述べるにとどめた。
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