京都大学は28日、大学院理学研究科の林愛明(りん・あいめい)元教授の熊本地震に関する単著論文について、複数の捏造や改ざんがあったと発表した。京大は同日、林氏に対して懲戒解雇相当とする処分を行った。
京大の発表によると、研究不正と認定されたのは、英字研究誌などに発表された、熊本地震に関する4つの論文。データや画像の改ざん、クラスターごとコピー・アンド・ペーストしてデータを「水増し」するなど、計37件の不正行為(捏造・改ざん)が認められた。
京大は研究不正の通報を受けて、外部委員を含む調査委員会を設置、2019年から同氏が発表した9本の論文について審査を行った。
京大は2019年3月、林氏が2016年に米サイエンス誌で発表した論文に不正があるとし、撤回を勧告した。いっぽう、林氏は調査委の聞き取り調査に対し「ケアレスミスだ」と反論し、意図的な学術不正を否定した。
(蘇文悦)
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