[東京 8日 ロイター] – 高市早苗前総務相は8日、記者会見を開き自民党総裁選への出馬を正式に表明した。大胆な金融緩和と緊急時の機動的な財政出動、大胆な危機管理投資・成長投資を「サナエノミクス」3本の矢と称し進める。安倍晋三前首相などの支援で20人の推薦人を確保し、党内保守層の支持を期待する。
2%の物価目標を堅持し、達成するまでの期間、財政健全化目標(基礎的財政収支の黒字化)を凍結する。インフレの兆候が表れれば投資額を調整すると述べ、事実上のMMT(現代貨幣理論)採用方針を示した。
10年間で100兆円の危機管理投資・成長投資を進め、気候変動への対応、国土強靭化を進める。
<都市封鎖、敵基地無力化可能な法整備進める>
コロナ対策で海外で行われているような都市封鎖(ロックダウン)を可能とする法整備の検討を進める意向を示した。
迅速な敵基地の無力化や、サイバー攻撃への反撃を可能とする法整備を進め、防衛費も増額する。
<省庁再編に意欲、慰安婦めぐり正しい歴史教育求める>
省庁再編も検討。復興庁の再編拡充、サイバーセキュリティー庁、環境エネルギー省、情報通信省、通商代表部の設置などを列挙した。
憲法改正への意欲も改めて示した。靖国神社参拝は「ひとりの日本人として参拝しており批判があるとすれば残念」と述べた。
従軍慰安婦について、当時そのような単語はなく、慰安婦であったと指摘し、正しい歴史教育の必要性を求めた。同時に日韓併合で民族の誇りを傷つけられた人や慰安婦従事者に対しては謙虚である必要があるとも述べた。
夫婦別姓は自民党は公約に盛り込んでいないと指摘した。
NHK改革も取り上げ、視聴者の受信料負担軽減のため経営界改革を求めるとともに、税金で運営されている国際放送について「日本の立場を発信してほしい」と述べた。
高市氏は8月に月刊文芸春秋で総裁選出馬の意向を表明していた。総裁選に立候補すれば女性議員では2008年の小池百合子氏(現東京都知事)以来2人目となる。