米下院議員は15日、中国の当局者および衛生機構のトップらに制裁を科す法案を提出した。法案では中国疾病予防コントロールセンター(CCDC)の高福主任と中国国家衛生健康委員会の馬暁偉主任らへの制裁を名指しで要求している。
ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は16日、共和党のエリス・ステファニク( Elise Stefanik)党会議議長と共和党のロバート・ウィットマン(Robert Wittman)下院議員が15日、「the World Deserves To Know Act (世界は知る権利がある法案)」を提出したと報じた。
この法案は、「マグニツキー法」の関連規定に基づいている。制裁対象者は中国衛生機構の責任者、告発者や市民記者の失踪に関与した人、言論の自由を制限した中国当局者となっている。
法案では中国CCDCの高福主任と中国国家衛生健康委員会の馬暁偉主任らへの制裁を名指しで要求している。
制裁措置には米国内にある被制裁者の資産凍結、入国拒否、既存ビザの取り消しなどが含まれている。
ステファニク議員は、声明の中で、「自由世界のリーダーとして、米国は中国当局者が行った良心に背く行為に対して責任を負わせなければならない」
「知的財産権の窃盗に加え、中国は新疆ウイグル人を大量虐殺した。また、香港でも弾圧を続け、ウイルスの起源に対しても公然と隠蔽した。そのせいで、経済危機と60万人近い米国人の死を含む世界中の人命の損失につながった」
ウィットマン議員も、「『世界は知る権利がある法案』の実施は、中共ウイルス(新型コロナウイルス)の起源に関する真相のための道開きである」と述べた。
一方、下院は民主党が過半数を占めているため、同法案が可決されるかどうかの見通しは立っていない。
中共ウイルスは2019年12月に中国・武漢で発生した。2020年1月中旬まで、中国当局は「ウイルスは予防および制御が可能で、ヒトからヒトへの感染はない」と繰り返し嘘をついた。同時にウイルスの発生に警鐘を鳴らす武漢の医師らを処罰し、ウイルスの急速な世界的蔓延につながった。
6月16日時点で、全世界で1億7千万人以上がウイルスに感染し、うち383万人以上が死亡した。
今年1月に中国・武漢を訪問した世界保健機関(WHO)の起源調査チームは3月、中国当局の主張と一致する報告書を発表した。ウイルスの実験室流出説は可能性が極めて低いと判断した。
(大紀元日本ウェブ編集部)