ロイター社が入手した逮捕状によると、イタリア警察は9日、移民労働者を搾取した容疑で中国人夫婦を逮捕した。同夫婦はフィレンツェで「バーバリー(Burberry)」のサプライヤー向けにハンドバッグ製造の皮革縫製企業を営んでいたという。
フィレンツェ税務警察によると、労働搾取と脱税容疑の調査の一環で逮捕された中国人夫婦と他の家族メンバー2人もイタリアから出国禁止などの制限措置が講じられたという。
警察の発表によると、これら中国人4人は、中国、パキスタン、バングラデシュなどの国からの移民労働者を低賃金・長時間働かせ、搾取していた疑いで告発されているという。移民労働者たちは1日14時間も働かされ、時給は3ユーロ(約400円)だったという。警察は52万3000ユーロ(約6971万円)を没収した。
逮捕状によると、4人はフィレンツェ郊外で、「Samipell Srl」という皮革縫製企業を営んでおり、「バーバリー」のサプライヤーである「Tivoli Group Spa」の下請けだった。
同企業の所有者は少なくとも40人の移民労働者を搾取し、Tivoli社のためにバーバリーのハンドバッグ製造に従事させたとしている。
英高級ファッションブランド「バーバリー」グループやTivoli社は調査対象になっていない。
Samipell社は2014年に設立され、今年3月にフィレンツェの裁判所によって破産宣告を受けていたと逮捕状に書かれていた。
フィレンツェのGiuseppe Creazzo主任検事は記者会見で、今回の逮捕は同地区の労働搾取や非正規の労働契約への取締りであると述べた。同地区には数百もの繊維や皮革縫製工場が点在しているという。
イタリアは世界のファッション・贅沢品生産産業の約40%を占めている。
Creazzo検事によると、これら調査対象となっている中国人らはある高級ファッションブランドの下請け業者であると明かしたが、ブランド会社が直接関与したという証拠がないため、名前は伏せた。
逮捕状の中にはある録音された電話の記録が含まれていた。それによると、調査対象の中国人はTivoliの職員に対し、「必要であれば、(バーバリーバッグの)タイトル製作に労働者を徹夜で働かせる」と述べていた。
タイトルは1830ドル(約20万円)で販売されている。
逮捕状によると、逮捕された夫婦は2013年以降、税金と当局の取り締まりから逃れるために、複数の皮革製品企業を次々と開設しては廃業にしていたという。そのつど、労働者と機械をある会社から別の会社に移していたが、住所は同じだったという。
先月、付近の都市プラートでも、中国人2人が警察に軟禁された。2人は高級ブランド製品「クロエ(Chloe)」のハンドバッグ製造に中国人とアフリカ人の労働者を搾取した疑いが持たれている。
プラートには、ヨーロッパ最大級の中国人コミュニティがある。
(大紀元日本ウェブ編集部)
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