米下院、選挙改革法案を可決 郵便投票の拡大など図る 民主党議員が造反

2021/03/06
更新: 2021/03/06

米下院では3日、民主党が提出した郵便投票を含む選挙改革法案「フォー・ザ・ピープル法案(For the People Act、またはH.R.1 Act)」の投票が行われた。賛成220票と反対210票で、同法案は可決された。

米FOXニュースの報道によると、民主党のベニー・トンプソン(Bennie Thompson)下院議員が造反し、共和党の議員らと共に反対票を投じた。トンプソン議員は同法案の共同提出者で、反対票は「意外だった」という。

同議員は4日、FOXニュースに送った声明で、自身の支持者らが法案の公的選挙資金導入をめぐる内容を批判したと明かし、「有権者の利益のために反対票を投じた」と説明した。

H.R.1法案には、郵便投票や期日前投票の拡大、有権者の自動登録などのほかに、パブリック・マッチ・プログラム(Public Match Program)という選挙運動のための公的資金調達システムの構築も含まれている。

FOXニュースによると、同法案は選挙候補者への寄付金の上限額を200ドルに規定している。個人の有権者からの寄付金に対して、候補者はパブリック・マッチ・プログラムを通して、6倍の公的資金を調達できる。有権者が200ドルを寄付した場合、候補者は1200ドルの公的選挙資金を得られ、合わせて1400ドルの資金を獲得できる。

公的選挙資金の資金源は、米企業が米政府に納付する刑事的、または民事的な罰金や和解金の中から、新たに4.75%の追加料金によって賄われるという。

同法案は現在、上院に送られている。上院では民主・共和各党とも50議席を占めており、同法案を可決するには60以上の賛成票が必要だ。

一方、米国20州の司法長官は3日に共同署名書簡を公開し、H.R.1法案は「憲法に違反し、国家資源を独占し、選挙プロセスを乱す」「州での選挙を連邦化している」などと非難し、同法案が成立すれば「法的措置をとる」と訴訟を起こすことを示唆した。

(翻訳編集・張哲)

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