WHO国際調査団、メンバー1人が武漢研究所に近い関係

2021/02/11
更新: 2021/02/11

世界保健機関(WHO)の調査チームは10日、中国武漢市中共ウイルス新型コロナウイルス)の発生源などに関する現地調査を終え、帰路についた。中国問題に詳しい専門家は、チームの研究者1人が、これまで武漢ウイルス研究所と研究協力を行ったことがあり、利益関係者として武漢での現地調査に派遣されるべきではなったと指摘した。

WHOの国際調査団は9日、武漢市で中国側の専門家と共同記者会見を行い、調査結果を発表した。WHO調査団の責任者であるピーター・ベン・エンバレク(Peter Ben Embarek)氏は、中共ウイルスが武漢ウイルス研究所から流出したとの見方を否定し、冷凍食品から人に感染したという中国側の主張について可能性があると示し、さらに調査する必要があると述べた。

同調査団の一員である英国人動物学者、ピーター・ダザック(Pete Daszak)氏について注目が集まっている。ダザック氏は米国の非営利組織、エコ・ヘルス・アライアンス(EcoHealth Alliance)の会長を務めている。

米メディア「USAトゥデイ」などの昨年の報道によると、米国立衛生研究所(NIH)は2015年以降、コウモリ由来コロナウイルスの研究のために、エコ・ヘルス・アライアンスに370万ドル(約3億8702万円)の助成金を提供した。同組織は過去、武漢ウイルス研究所と共同で研究を行い、米政府が出資した370万ドルの一部が同研究所に流れたと報じた。

昨年2月18日、ダザック氏を含む27人の専門家は、国際医学誌「ランセット」で声明を発表し、中共ウイルスをめぐる武漢ウイルス研究所からの流出説は「陰謀論」だと主張した。

同声明に署名したすべての専門家は、中国側の研究機関と利益関係を持っていないと強調した。しかし、公衆衛生の透明性を目指す米国調査研究グループ「US Right to Know(USRTK)」が入手した電子メールでは、ダザック氏が同声明の主要起案者であったことがわかった。

同氏は、武漢ウイルス研究所のコロナウイルス研究プロジェクトに資金提供しただけでなく、仏紙ル・モンドによれば、過去15年間、ダザック氏と同研究所は共同で研究論文20件以上を発表した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルも1月15日の報道で、ダザック氏と同研究所の近い関係に言及した。

中国問題評論家の横河氏は、ダザック氏は中国当局の利益関係者として、WHOの現地調査に参加すべきではなかったと大紀元に語った。同氏はまた、WHOがダザック氏を調査団のメンバーに任命したことに別の目的があると分析した。

「WHOは中国当局に対して、当局が段取りした『芝居』に協力するというシグナルを送った」

横河氏は、共産党が中共ウイルスに「勝利した」とアピールする展示会の視察を含め、WHOの国際調査団の日程は「すべて中国当局が事前に組んだものだ」と指摘した。同氏は、展示会は、WHOの現地調査にとって「関連情報でもないし、むしろプロパガンダだ」と批判した。

WHOの専門家は、武漢市の海鮮卸売市場など各地を回った際、住民やメディアの記者らと接触しないよう、当局の警官隊に囲まれていた。

中国法学者の袁紅氷教授は、大紀元の取材に対して「WHOの調査結果がこうなるのは予想していた。彼らは中国当局の責任逃れを手伝った」と述べた。

米エイズ・ヘルスケア財団(AHF)は9日、企業ニュースリリース配信サイト「ビジネスワイヤ(Business Wire)」で声明を公開した。AHFは、ダザック氏の利益相反問題を指摘し、WHO現地調査の信ぴょう性と調査結果の妥当性を疑問視した。AHFはまた、中共ウイルスの発生源を調べるWHO調査チームを解散し、完全に独立したメンバーによるチームの再編成を求めた。

(翻訳編集・張哲)