中国は10月1日の「建国記念日」から大型連休に入り、多くの観光地は観光客で賑わっている。陝西省榆林市にある世界遺産「鎮北台」では、観光客がナイフで建築物に文字を彫り込む被害が絶えず、無傷の石レンガが皆無という深刻な被害だという。
中国国営メディアの新華社通信は、休日期間中に鎮北台で取材中の記者が、同建築物および周りの全ての壁に観光客がナイフで彫った大量の名前や日付などを発見したと報じた。特に城壁上部では何層にも刻まれた文字でいっぱいになり、無傷なレンガはほとんどないという。
鎮北台は基底部の一辺がおよそ80メートル、最高層が30メートルの台形を成す巨大な構造物。陝西省榆林市から4キロ離れた「紅山」の頂上に位置し、明の万暦35(1607)年に遊牧騎馬民族の侵入を阻止するために建築され、400年以上の歴史を誇っている。また、名前の「鎮北」には、北方の異民族を鎮めるという意味がある。
明代の長城遺跡で最も雄大な建築物の一つで、万里の長城の「三大景の一つ」でもある鎮北台は、世界遺産にも登録されている。
(大紀元日本ウェブ編集部)