中国共産党のイデオロギーが破綻しつつある今、各地政府は「貧困緩和」や「産業発展」などの理由を挙げて、次々と巨額を投じ「革命景勝地」を建設し、国民に「洗脳教育」を受けさせている。これに対して、地元住民の不満が噴出している。
中国共産党による人権弾圧を伝えるオンライン雑誌「ビター・ウィンター(Bitter Winter)」は9月27日、中国政府が開発した「革命景勝地」の一つである山西省運城市の袁家村では毎日、「紅歌」という共産党を称賛する中国の革命歌が繰り返し放送されていると報じた。
同景勝地のスタッフは、「政府は主に幼稚園や小学生たちのために研修旅行を企画し、この革命景勝地でその『愛国心と党への愛』を育んでいる」と述べた。
また、地元商店の店員は、「当店は毛沢東時代のスタイルで装飾することを求められた」「地元の管理部門は毛沢東の肖像を提供し、毎週月曜日の朝、全従業員が肖像の前で『党に従う』と誓わなければならない」と明かした。
湖南省、山東省、浙江省などの各地政府は、「革命観光」に対して多額の投資を行っている。
習近平氏が9月中旬に湖南省の「革命観光」スポットを視察した際、「赤い遺伝子」を強調した。それを受け、同省株洲市は9月27日、「産業+革命観光」をテーマにした活動を行う「株洲観光特急」を開通した。
また、開通してから6年経った吉衡鉄道も、同日に「革命旅行特急」を初運行した。
浙江省温州市第八中学校の生徒のクラスは9月下旬、「革命研修旅行」のために同省鹿城を訪れ、「党の歴史を学び、革命書籍を読み、旧跡を訪れ、革命曲を歌う」などの活動を行った。
巨額を投じて「革命村」へと改造、伝統文化が消えた
「ビター・ウィンター」によると、広東省梅州市平遠縣仁居村はもともと、客家人を中心とした村で、地元の住宅のほとんどが客家の伝統的な様式だったが、2018年から地方政府は、数千万元を投じてこの村を「赤い村」に変身させたと報じた。村人がお金を出し合って作ったセメント道路は砂利道に改修され、「打倒帝国主義」「打倒地主」「赤い遺伝子の伝承」などの共産党の看板やスローガンが道や路地のいたるところで見られるようになったという。
梅州の地元メディアは、「地方政府は住民の意見に十分に耳を傾け、支持を得た」と主張している。しかし、村人は「政府からは何の相談もなく私たちの道路を再舗装した」と言い、共産党を称賛するためにお金を全て使った地元政府を非難した。
また、福建省福州市の政府も、2019年に地元の於山景勝地を革命景勝地に作り替え、同区内の先祖代々を祭る「宗祠」(しゅうし)を革命教育基地に改造し、革命教育のための講堂や党へ忠誠を誓う記念碑を設置した。
山東省淄博市の政府は、毛沢東像など革命景勝地の建設に約140万米ドル以上を費やしたうえ、現地の「党の建設テーマパーク主題」の開園日には、市民に毛沢東像の前で線香や冥銭を燃やさせた。
台湾の中央通訊社は、「トランプ政権が米中対立を強めたため、米政界が「中国共産党」と「中国人民」を区別したことは、非常に問題の核心を突いているため、北京側は警戒している」と報じた。
ポンペオ氏は先日、中国共産党の指導者である習近平氏を「破綻した全体主義的イデオロギーの本物の信奉者だ」と痛烈に批判した。
(大紀元日本ウェブ編集部)