中国の人権と宗教迫害を伝えるネット雑誌「寒冬(Bitter Winter)」は最近、中国当局が農民に樹木伐採と穀物栽培を強制するために彼らの土地契約権と管理権を撤回すると脅していると報じた。高齢者や出稼ぎ村民は畑仕事を強いられているという。
山東省新泰市石萊鎮の地方政府は4月から、村に対し、制限時間内の樹木の伐採、野菜や果実から穀物栽培への強制切り替え、さらには今後5年間は穀物以外の栽培を禁止することを要求した。
一部の村人は、現地政府がならずものを雇い、村民の同意なしに夜間に無断でこっそりと村中のポプラの樹木を全て倒した。他の数十の村の木も同じように7月に破壊されたと述べた。「(ならずものが)切った木はどうするのか、薪にでもするのだろうか。中国でいつも苦しむのは農民だ」
「ならずものたちは長い木の棒で武装し、抵抗する者は誰でもボコボコにするみたいだ、それでは誰も何も言えない」「今回の伐採方針は強制的で交渉の余地すらない」と60代の村人が嘆いた。
広州市では、収穫間近だった村の果樹や野菜は、17日間で全て畑から除去され、強制的に稲作に切り替えられたという。
中国人は自分たちの土地がない
中国では中国共産党が土地の所有権を支配しており、農家には契約権と営業権しか与えられていない。「政府から一時は果樹を植えろと言われていたが、今度は稲を植えろと義務づけられた。言う通りにしなければ、土地を回収するとまで脅している。中国人は1ミリの土地も所有できない。何もかもが政府のもので最終決定権は政府にある」とある村民が訴えた。
別の村人は、自分の果樹が破壊されて万元(約十数万円)を超える損失を受けたが、何の補償も得られていないと訴えた。
「ニュースではいつでも国の食糧在庫は十分だと言っているのに、今では私たちに食糧の栽培を強制している。政府はいつも嘘つきだ、これでは『食糧在庫がない』と言っているのと同じではないか」とある村民は憤慨した。
他の村人も、「国の穀物倉庫が空っぽになったから、政府は穀物の栽培を呼びかけている」と述べた。
公式データによると、中国の耕地面積は年々減少しており、食料自給率は80%しかなく、世界最大の穀物輸入国となっている。
台湾大学の政治学教授・明居正氏は9月17日、「年代向錢看」(お金の時代)の番組の中で、中国の経済について説明した。「本土は将来的に食糧危機が起こる可能性がある」「中国の人々は中国政府を信用するのではなく、今から食糧の備蓄を始めるべきだ」と警告した。
今年、中国本土の主要な穀物生産地域では、伝染病、洪水、虫害などの被害を受けている。
9月18日の中国国内報道によると、小麦と米の主産地であり、また中国の食糧の「風向計」とも言われている安徽省では、1800万ムー以上の作物が洪水の影響を受けており、うち555万ムーもの作物が破滅的な被害を受けたという。
(大紀元日本語ウェブ)
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