アリババなど2社、米禁輸対象の監視カメラ大手ダーファに出資検討

2020/09/18
更新: 2020/09/18

中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング とチャイナ・モバイル(中国移動通信集団)は、米政府の禁輸措置の対象である中国監視カメラ設備大手、ダーファ浙江大華技術)に4億4300万米ドル(約468億円)出資することを検討していると、ロイター通信は情報筋の発言を引用して伝えた。

ダーファは中国2位の監視機器メーカーであり、新疆のウイグル族など少数民族の監視・拘束で中国政府に協力したとして、昨年10月に米商務省によって「エンティティリスト」に掲載され、米政府の承認なしに米企業から部品を調達することを禁じられた禁輸措置の対象である。

関係筋によると、アリババとチャイナ・モバイルは今後数週間のうち、ダーファの第三者割当増資を引き受ける予定だという。

深セン株式市場に上場している同社の株式時価総額は約103億米ドル(約1兆900億円)と言われている。

またチャイナ・モバイルはダーファと400億元(約6200億円)規模の3年間の事業契約を締結する方向でも交渉を進めている。この契約でダーファのビッグデータやクラウド・コンピューティング・サービス、インターネット・オブ・シングスなどの技術が利用可能になるため、全民監視「スマートシティ」構想に向けた中国共産党の継続的な取り組みと関連している可能性があると関係筋は述べた。

ロイター通信によると、中国当局は中国国内に監視技術を導入した500都市以上の「スマートシティ」を建設する計画を進めており、これらの都市では、公共の場に数百万台のカメラを設置し、顔認識技術を用いて都市住民を監視する方針だという。

また、調査によると、中国のスマートシティの市場規模は、2022年には18年比2.1倍の25兆元に達する見込みで、監視カメラの需要も急増しているという。

実際、アリババは各地政府の「スマートシティ」の構築を支援しており、中国メディアの報道によると、湖北省、黒龍江省、チベット、重慶、江西省九江市、陝西省、北京市通州、山西省晋城市、浙江省普陀など多くの都市はアリババと提携しているという。

ロイター通信によると、アリババもチャイナ・モバイルもこの件についてのコメントはなく、一方、ダーファ側は「情報を把握していない」とコメントしているという。

(大紀元日本ウェブ編集部)