中国軍は9月7日、「長征4号B型」ロケットの打ち上げに成功と主張しているが、同ロケットのブースターが山岳地帯の学校付近に墜落した可能性がある。「落下したロケットの爆発で有毒ガスが大量に放出され、現地住民に大きな被害を与えた」と技術誌が伝えた。
同日午後、中国軍は山西省太原市にある中国の衛星発射センターから「長征4号B型」ロケットで「高分11号02人工衛星」を打ち上げたが、同ロケットのブースターが500キロ離れた学校付近に落下し爆発した。
落下時の爆発などの様子は現地住民によってカメラに収められた。
現地住民が撮影した映像では、未確認の飛行物体が谷あいに墜落し、大きな音とともに爆発して、猛烈な炎と黄色い煙が一面に広がっている様子が映し出されている。また、落下した飛行物体の散乱した残骸の一部には「中国航」の3文字までが確認できたという。
テクノロジー関連のニュースサイト「アーズ・テクニカ(Ars Technica)」は8日、使用済みのブースターの墜落により、オレンジ色の有毒ガスが広範囲に生じたと報じた。
同記事の分析によると、中国が使用するロケットの推進剤の第1段は有毒なヒドラジン燃料だという。これは貯蔵性に優れた燃料ではあるが、腐食性が高く毒性もあるため、現在では世界のほとんどの地域で使用は段階的に廃止されている。しかし中国は「安価で比較的使いやすいため、多くのロケット打ち上げに同燃料の使用を続けている。また、長年にわたって多くの事故を引き起こしている」と指摘した。
中国のロケットブースターはロケット発射後、まもなく地上に落下する。同レポートは「中国は宇宙開発において『現地住民の保護』よりも『技術の習得』に関心があるようで、1968年に太原からロケットを打ち上げて以来、中国は現地住民の安全を全く気にも留めていないようだ」と批判した。
(大紀元日本ウェブ編集部)