中共ウイルス(新型コロナウイルス)の感染拡大が世界各地に及んでいるなか、中国当局は依然として国内の感染者数を隠し続けている。国内情報筋によると、遼寧省衛生当局が同省朝陽市衛生部門に対して、中共肺炎(新型肺炎)の感染データに関する内部文書を破棄するよう指示した。
情報筋はこのほど、大紀元に対して、朝陽市衛生健康委員会が遼寧省衛生健康委員会宛てに送った2月23日付の機密文書を提供した。同文書によると、市衛生健康委員会は省の衛生健康委員会の命令に従い、各地の政府職員に対して、中共肺炎の感染情報を報告する際の「守秘承諾書」の署名を求めた。職員らはすでに署名したという。
また、同機密文書には、朝陽市交通局、凌源市政府弁公室、朝陽市龍城区政府弁公室は感染状況に関する統計データを破棄したと記された。
文書とともに、署名者がそれぞれ違う13枚の「守秘承諾書」が添付された。
「守秘承諾書」は、2月21日に報告を行った機密データについて、「パソコン、USB、携帯電話などに保存したデータや、撮影した関連写真と記録文書を直ちに破棄する」「いかなる理由や方法でもデータを複製し使用してはならない。他人に送信してはならない」「法律で定められた場合を除き、他の機関や個人に情報を漏えいしてはならない」「以上の規定に違反する場合、法的責任を問う」と要求した。
大紀元は、2月21日の遼寧省と朝陽市に関する国内報道を調べた。この日、同省衛生健康委員会は同日午前0時から午後24時まで、省内では新たな中共肺炎の感染者がないと発表した。また、これまで省内で確認された感染者121人のうち、6人は朝陽市の住民だ。朝陽市には死亡者がいないという。
遼寧省衛生当局が、破棄を指示した感染データの中身は不明だが、これまで他省の情報筋らが大紀元に提供した資料から見れば、感染者数や死亡者数の隠ぺいに関わると推測する。
大紀元はこのほど、山東省疾病予防コントロールセンターが同省衛生健康委員会に提出した内部文書、「全省新型コロナウイルス感染に関する肺炎検査情報統計日報」十数枚を入手した。これによると、省内衛生当局の内部で報告された「当日検査結果陽性者数」、すなわち感染者数は、当局が発表した感染者数の数倍から数十倍となっている。2月20日付の内部文書を例にすると、2月19日に省内で感染者49人が新たに確認された。しかし、当局が実際に公表したのは2人だった。
中国当局の公開情報にも矛盾があった。中国疾病予防コントロールセンター(中国疾病預防控制中心)が2月17日、国内医学誌「中華流行病学雑誌」で論文を掲載した。論文は、昨年12月31日まで、武漢市と湖北省で、中共ウイルスによる肺炎の感染者104人を確認したと示した。しかし、武漢市衛生健康委員会が12月31日、初めて感染者数を公表した際に、感染者27人を確認したとした。中国疾病予防コントロールセンターの統計データと比べて、約5分の1にとどまった。
(翻訳編集・張哲)