なぜ中国は台湾へ武力行使しないのか 米軍元高官が分析 

2020/02/25
更新: 2020/02/25

米太平洋軍指揮官、中央情報局(CIA)長官を歴任したデニス・ブレア氏が2月20日の米議会で、中台関係に言及した。同氏によると、中国は台湾に対してまだ軍事行動を取っていないことについて、中国は中台統一を民間交流や経済的手段など、非武力での統一を実現しようとしているが、中国の武力は台湾独立勢力を威嚇しているとの見解を示した。

ブレア氏は、米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会USCC)」の公聴会に出席した。

ブレア氏は、中国軍の編成と訓練について調査した後、「その戦略は、台湾を武力による略奪と占拠を実行するよりも、台湾の独立阻止に基づいているようだ」と述べた。

同委員会委員のケネス・ルイス(Kenneth Lewis)議員は、冒頭の質問をした。ブレア氏は、中国は軍事力で台湾の独立を防ぐことを望んでおり、経済および民間交流を通じて、統一という目標を達成しようとしているとの見方を示した。しかし、これは中国当局の現段階の考え方であり、状況次第で、変わる可能性があるとした。

いっぽう、ブレア氏は、中国側の武力行使のリスクも非常に大きく、これに応じて「東アジア版NATO」の形成につながる可能性もあると語った。

米国が中国の武力行使をどのように防ぐかについて、ブレア氏は、中国の軍事力を相殺するために、東アジアに駐留する米軍の質を確保し、その数を増やすという、トランプ政権の現在のアプローチに同意していると述べた。

「中国側には、私たちが何をするか知られないようにしなければならない。中国側が耐えられるかどうか分からない打撃で恐れさせるべきだ」とした。

ブレア氏は、東アジア版NATO構想ような、米国が参加する強力な軍事同盟の形成に高い抑止力があるとした、中国側に武力攻撃のリスクを認識させる必要があると述べた。

中国軍は、空軍の爆撃機や早期警戒機などの多型戦闘機を、2月9、10日の両日にわたり台湾周辺の島を回る長期訓練を行った。これについて「台湾独立」分裂活動を挫折させるための決意と発表した。

(翻訳編集・佐渡道世)